ファフナー THE FOLLOWER

「蒼穹のファフナー the beyond」第4~6話のネタバレ感想 2020/07/18 「蒼穹のファフナー」再放送時のcm(bs11) 2020/07/17 「蒼穹のファフナー the beyond」第7~9話 当初の公開予定日 2020/06/27; 本日の更新 2020/06/27; 冲方丁「preface of 蒼穹のファフナー heaven and earth」 2020/06/26 『蒼穹のファフナー EXODUS』BD/DVD11巻付属のドラマCD『THE FOLLOWER2』の感想ですが、あらすじは書いてありません。感想はドラマCDの時系列を無視して書いているため、ドラマCDを聞いた人向けの内容になっています。  このドラマCDが時間的に位置する場所は『EXODUS』23話の途中、総士が捕虜引き渡しの交渉のために新国連の基地へ出発する前。アニメではおそらく意図的に描写を減らしていた一騎についてこのドラマCDで補われているので、これを聞くと『EXODUS』24話で昏睡状態から目覚めた後の一騎の行動を理解することができるようになった。 このドラマCDを聞いている時、さながらテストの答え合わせをしている気分になりました。しかし、作品を理解する際に必要な要素はすべてアニメで描かれていたため、このドラマCDの内容と『EXODUS』の最終話放映からの4ヶ月間に9万字を費やしてたどり着いた自分の考えとの齟齬はほとんどありませんでした。 なお、このドラマCDには総士と真矢のメディテーション・トレーニングの海が出てきますが、これまでにメディテーション・トレーニングの海が描かれたのはドラマCD『STAND BY ME』と『GONE ARRIVE』、短編小説『Preface of 蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』。現在、いずれも入手困難です。  『THE FOLLOWER』は美羽が道生(父)と旅をしながら話をする物語だった。  『THE FOLLOWER』で美羽には目的地に至る  正直、真矢がミツヒロ=島のミールからこの言葉を突きつけられたのにはびっくりした。『EXODUS』23話で真矢が命をかけてへスターと取引したシーンを真矢の祝福だと感じたのは間違いではなかったということである。(  この直後、真矢はこの考えを否定しているが、精神的にここまで追い詰められていたとは思わなかった。やはり新国連で捕虜となった時の真矢の心理描写にもう少し時間を取ってほしかった。  真矢の通過儀礼としての父親殺しは『EXODUS』本編に描かれていたが、このドラマCDでもはっきりと父の考えを否定している。 真矢は最後に父に別れを告げた。真矢は完全と父と決別し、別の道を行くことを選んだ。  『EXODUS』本編で総士の通過儀礼としての親殺しは描かれていなかったが、島のミール=公蔵が総士に迫った選択が親の価値観を否定することになり、結果的に総士にとっての親殺しになっていた。 とはいえ、総士も自身の言葉を「まさか島の理念を僕が否定するとはな」と振り返って驚いていたが、総士自身も気がついていなかった自らの本心が島のミールとの対話で顕になったということだろう。そして、最後に総士はこう言っている。 『EXODUS』26話で竜宮島はアルタイルを眠らせるために水没したが、総士にとって島=父だったのかもしれない。ということは、総士は父の元を去ったと同時に葬り去ったということを意味しているのかもしれない。  『EXODUS』22話、アビエイターとの戦闘後、昏睡状態に陥った一騎は気がつくとキール・ブロック内の道を歩いていたが、行くべき方向を見失ってしまった。 一騎は道の途中で出会ったミョルニアに道の行き先について尋ねた。 これまでファフナーに乗り続け、最終的に同化された者は皆、島の記憶となっているのに、なぜ一騎は一期終盤でイドゥンによって北極を連れ去られ、同化された総士と同じ道なのだろうか。弓子が美羽に言った言葉を思い出した。 ニヒトに乗った総士は同化された後、無へ還った。つまりザルヴァートル・モデルのパイロットは機体の力そのものに同化された結果、フェストゥムに近い存在になっていき、同化された後はフェストゥムと同じように無へ還るということなのだろうか。 こちらは竜宮島の住民と同じようにいなくなることができる。いわば人としていなくなるということ。しかし、ミョルニアは一騎に別の道があることを告げる。 この後、一騎はミョルニアと対話してある選択をする。しかし、アニメ本編で描かれたカノンとこのドラマCDで描かれた総士と真矢の選択の方が重いと感じた。なぜなら一騎は自分だけでなく総士、真矢、カノンの選択によって島との調和を得た、つまり一騎は総士、真矢、カノンの3人から命を与えられ、未来を託された側だからである。  一騎はキール・ブロックでミョルニア(=島のミール)と対話しているが、総士と真矢はメディテーション・トレーニングで見る海でそれぞれの父(=島のミール)と対話している。総士と真矢の通常時のメディテーション・トレーニングの海の風景はこのドラマCDでは必要最低限の描写しかされていないが、過去にリリースされたドラマCDと短編小説ではこんなふうに描写されていた。 総士と真矢はこの海の中で父の姿をした島のミールと話し、島のミールから問いただされ、選択を迫られる。その際、総士と真矢はともに父と意見が対立し、最終的には父とは違う考えを選んだ。父と違う意見とは過去の自分を捨てて未来を選んだということを意味し、二人のメディテーション・トレーニングの海は崩壊し、そこには新たな道を生まれた。 一方、一騎の前に現れた島のミールはミョルニア(≒母)の姿をしていたため、その対話はおだやかなものだった。そのため、総士と真矢のように親子と意見が対立し、最終的に子は親とは別の道を選ぶ=通過儀礼としての親殺し=自分が変わるという流れにはなっていない。一騎、総士、真矢の最後の台詞に総士、真矢と一騎との違いがはっきりと現れている。 しかし、ミョルニアは一騎にもいつか変化が起こることを告げている。 つまり一騎もいずれ総士と真矢のようにメディテーション・トレーニングの海が崩壊し、未来への道を見出す時が来るのだろう。一騎はこのドラマCDでの対話の相手がミョルニア(≒母)だったため、総士と真矢のように通過儀礼としての親殺しが描かれなかった。それ故、この3人に中で一騎は「大人になっていない=この後もザインに乗ることができる」と考えることもできるだろう。  織姫は今は対話することのできないアルタイルを眠らせるために竜宮島ととも海に封じることを決め、竜宮島の住人は島を去ることを余儀なくされた。しかし、この公蔵の言葉を見ると島のミールは「島民が島を去ること」をポジティブなこととして受け止めている。「島を出ること」を選んだのが一騎、総士、真矢、カノンであることを考えると、竜宮島からの住民の脱出は若者が未来を掴むために故郷を出て、新天地に向かったということを意味しているのだろう。ただ、普通は帰るべき場所として存在しているはずの故郷が失われた上に、新天地に向かったのが若者だけではなく全島民だったということが、結果として物語としては昔から定番の「若者は冒険を求めるが故に故郷を去る」(現代においては進学や就職で生まれ故郷を去るが相当する)という構図が非常に見えにくくなっている。 一期でフェストゥムに同化された甲洋の存在を通して「フェストゥムとの共存」を選んだのは一騎、剣司、衛、真矢、咲良、そして総士だった。『EXODUS』でたとえ竜宮島と島民を犠牲にしてでも対話の力を守る、つまり最終的に「島を出る」ということを決めたのは一騎、総士、真矢、カノンだった。では『EXODUS』において、なぜこのメンバーと同級生である剣司と咲良が意思決定に参加していないか? それは「結婚=すでに大人になった=もはや子どもはない」ということを意味しているからだろう。島を出ることを決めたのが同級生だとは知らない剣司が海神島で「必ず帰るぞ、俺たちの島へ」( とまれ、竜宮島の未来を決めるのは大人たちではなく、常に子どもたちなのである。   P.S.

このドラマCDを聞いたのが

2004年に放送されたロボットアニメ。正式タイトル『蒼穹のファフナー Dead Aggressor』。全26話。2005年、前日譚『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』がTVスペシャルとして放送。2010年、最終話から2年後が舞台の劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』が公開。2015年、劇場版から3年後のTVシリーズ2期『蒼穹のファフナー EXODUS』が放送。全26話。2019年、『蒼穹のファフナー THE BEYOND』が劇場にて順次先行上映開始。全12話。4~6話は11月8日公開予定。1~3話収録のBD&DV… 「蒼穹のファフナー」シリーズ 究極cd-box(初回生産限定盤)がアニメストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部除く)。 「蒼穹のファフナー the beyond」第4~6話のネタバレ感想 2020/07/18 「蒼穹のファフナー」再放送時のcm(bs11) 2020/07/17 「蒼穹のファフナー the beyond」第7~9話 当初の公開予定日 2020/06/27; 本日の更新 2020/06/27; 冲方丁「preface of 蒼穹のファフナー heaven and earth」 2020/06/26 冲方さんがインタビューで言ってた「弓子が美羽を理解していくことは前世代との決別と新世代の萌芽」、それを描出したのがこの『the follower』ということか。 弓子が「話ができる」と言ったのはファフナーに通底するひとつの答えか。

蒼穹のファフナー』から1年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。 いまだ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「l計画」という危機回避プランを実行に移すことを決定する。 「蒼穹のファフナー」シリーズ 究極box(初回生産限定版) 「蒼穹のファフナー」キャラクターデザイン・平井久司氏による最大規模の新描き下ろしイラストに包まれた14年余りの歴史を総枚数21枚のディスクに収めた“究極”の呼び声に相応しい永久保存版がここに…。 日野美羽がイラスト付きでわかる! アニメ「蒼穹のファフナー」シリーズに登場するキャラクター(画像左)。 概要 cv:諸星すみれ 2147年4月1日生まれのo型。生まれる前年に、父の日野道生と3人の祖父母をフェストゥムの襲撃が原因で相次いで失い、母の日野弓子と2人暮らし。