から余剰の1つとみなす.関税により,社会的余剰は(t+w) だけ減る.これが関税の死荷重.関税 による輸入減少のデメリットが,関税収入というメリットを上回るためである. 4. 関税を廃止し、自由貿易体制へと移行 することのメリットについて、経済理論の教唆するところは明快である。関税賦課によっ て失われていた厚生、すなわち死荷重損失が回復され、自国は社会的余剰の純増を享受す ることが可能となる。 消費者余剰は三角形p3ap4となります。 もとの消費者余剰はp3ep2なので、明らかに 貿易開始後、面積が小さくなっていますね。 次に生産者余剰をみていきましょう。 供給曲線sと国際価格p4の交点bから まっすぐに線をおろしたq3が生産量となります。 関税の賦課による自国の厚生は、交易条件の改 善による関税収入の増加分(c)と、関税による消費 者余剰の減少分(a+b)に依存する。〈c-(a+b)〉を最 大にする関税率を「最適関税」という。 3. 経済学の学習ガイド(学習の目的)「「自由貿易」の場合と比較すると「総余剰は減少」し、「「「自由貿易」の場合と比較するとこの他に、「輸入数量割り当て」のケースや、「生産者」に「補助金」を支給するケースもありますが、ここでは保留としておきます。「『 「 小国 」とは、 自国の行動 が世界経済に対して「 影響を与えない 」国のことです。 輸入品1単位当たりに課せられる「関税」に、輸入量を掛けたものは「関税収入」になります。 これは、政府に入ってくるものなので「政府余剰」として計算します。 *社会的余剰(=総余剰): 「1100減少する」、となります。 なお、経済学上の「小国」の定義についてですが、「内需と外需に乗数効果上の差がない」と言う事です。 大国は「内需の方が外需の方が乗数効果が大きい」、となります。 政府には関税収入cが生じますが、この収入は国民に還元されるとすれば、消費者余剰と生産者余剰と関税収入を足し合わせた社会的余剰の変化は、a+c-(a+b+c+d)=-(b+d)<0となりますので、関税は自国に損失をもたらすことがわかります。 Contents貿易をまったくしていない国の国内では、需要曲線と供給曲線の交点が均衡点となる。こうした貿易をしない国内での市場を自給自足市場と呼ぶ。これまでの市場は、貿易をしていないことを前提として考えて来たので、全て自給自足市場である。貿易を考えて行く上では、国際価格という要素が必要になる。つまり、国内で取引される価格だけでなく、国外で取引される価格を意識する必要がある。今まで学んで来た完全競争市場では、国内の市場価格について、各企業が市場価格に影響することはなかった。それは、市場の大きさに比べたら、1企業の供給は充分に小さいものとして捉えられるからであった。同様に、国際市場の価格に対して、一つの国が影響を及ぼさない。という仮定で考える。つまり、世界市場では、一つの国による供給量は充分に小さいこととして考えられるためである。これを小国の仮定という。人々はなぜ貿易をするのだろうか?それは、言うまでもなく貿易にメリット(得なこと)があるからだ。自国で手に入らないものを貿易で手に入れたり、国外の安いものを手に入れる場合などを考えれば、貿易のメリットが容易に想像つくだろう。 しかし、貿易のメリットはそれだけではない。社会全体としてもメリットがあるからだ。そのあたりを余剰で説明できる。自国が自給自足の場合の均衡価格より、国際価格が低い場合、自国は輸入するインセンティブが働く。その図を図1に示す。均衡点より下に国際価格の線を引く。国内価格が国際価格まで下がると、供給曲線と交わった交点の数量までしか、国内では供給しなくなる。しかし、価格が国際価格まで下がると、需要量は需要曲線と交わった数量まで伸びる。需要量のうち、国内で供給されない分は輸入して賄われるために、価格が下がったときの需要量から供給量を引いた分は輸入量となる。このときの余剰はどうなるだろうか。価格が下がったときの消費者余剰は赤の面積となり、自給自足のときの余剰より増加する。一方、生産者余剰は青の面積となり、自給自足のときの供給量より減少するため、余剰は減ることになる。つまり、国際価格に比べ国内価格が高い場合、貿易をすることによって、消費者は嬉しく、生産者は不満になるのである。このとき、社会的総余剰では、二つの面積を足した面積になるため、明らかに自給自足のときの社会的総余剰より増える。要は、国内全体で考えると、得なのだ。これが輸入時の社会的な貿易のメリットである。自国が自給自足の場合の均衡価格より、国際価格が高い場合はどうなるだろうか?自国での価格より国際価格が高いので自国は輸出しようとする。その図を図2に示す。均衡点より上に国際価格の線を引く。国内の生産者は国際価格での需要があるので、供給を増やし、国際価格の線と供給曲線の交点の数量まで生産を行う。しかし、国内での価格も上昇するため、国内での需要量は需要曲線と国際価格の線が交わった数量まで減少する。供給量のうち、国内での需要がない分は国外での需要であるために、価格が上がったときの供給量から国内での需要量を引いた分が輸出量となる。このときの余剰はどうなるだろうか。価格が上がったときの消費者余剰は赤の面積となり、自給自足のときの余剰より減少する。一方、生産者余剰は青の面積となり、自給自足のときの供給量より増加するため、余剰は増えることになる。つまり、国際価格に比べ国内価格が低い場合、貿易をすることによって、消費者は不満になり、生産者は嬉しくなる。この場合も、社会的総余剰は赤の面積+青の面積になるため、緑の面積分だけ余剰は増加する。要するに輸出の時も国内全体的には余剰は増えるのである。従って、輸入でも輸出でも、国内の余剰は増える。この事は貿易する相手国の国内についても同様に説明することができるはずだ。輸入でも輸出でも貿易する両国にメリットがある訳です。それではなんで自由な貿易に反対するひとがいるのか?なんて考えると経済学が大変興味深くなる。少々期間があいてしまいました。本当は貿易に関税をかけたケースについても、今回書こうと思ってましたが、少し長くなるので、次の回に持ち越します。▼▼▼続きを読みたい人は▼▼▼Copyright © このモデルは、「買い手独占」による国際価格の引 2. (2)自由貿易下の需給曲線と関税引上げによる社 会的総余剰の減少 次に、ミクロ経済学的観点から自由貿易及び関税引 上げの影響を見てみたい。 ミクロ経済学では、社会的余剰は、需要曲線と供給 曲線の交わる均衡点を基に見ることができるとする。貿 このとき、社会的総余剰では、二つの面積を足した面積になるため、明らかに自給自足のときの社会的総余剰より増える。 要は、国内全体で考えると、得なのだ。 これが輸入時の社会的な貿易のメリットである。 国際価格が高く輸出する場合の余剰