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ALSは、運動神経系が少しずつ老化し使いにくくなっていく病気です。運動神経系の障害の程度や進行速度は個々の患者さんでみな異なっています。知覚神経系は障害されないと言われています。ALS患者さんは、長い間、発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気とされてきました。しかし、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、長期に療養することが可能となってきています。呼吸の補 … 「ALS」という病名を聞いて、どんな病気か思いあたる人は少ないでしょう。ALSは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、難病の一つに指定されてい … この病気は常に進行性で、一度この病気にかかりますと症状が軽くなるということはありません。 体のどの部分の筋肉から始まってもやがては全身の筋肉が侵され、最後は呼吸の筋肉(呼吸筋)も働かなくなって大多数の方は呼吸不全で死亡します。人工呼吸器を使わない場合、病気になってから死亡までの期間はおおよそ2~5年ですが、中には人工呼吸器を使わないでも10数年の長期間にわたって非常にゆっくりした経過をたどる例もあります。その一方で、もっと早い経過で呼吸不全をきたす例もあります。特に高齢者で、話しにくい、食べ物がのみ込みにくいという症状で始まるタイプは進行が早いことが多いとされています。重要な点は患者さんごとに経過が大きく異なることであり、個々の患者さんに即した対応が必要となります。最近では認知症を合併する患者さんが増えていると云われています。1年間で新たにこの病気にかかる人は人口10万人当たり約1-2.5人です。全国では、平成25年度の特定疾患医療受給者数によると約9,200人がこの病気を患っています。筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通です。誤嚥を防ぐには食事の仕方を工夫する方法と、食べ物の形態を工夫する方法とがあります。ここでは、栄養不足・水分不足の最大の原因である嚥下障害の対策について述べます。その目標は十分なカロリー、栄養、水分をとることと誤嚥を防ぐことです。栄養をとるためには少量で必要な栄養がまかなえるように高カロリー、高蛋白の食べ物をとることです。同時にビタミンやミネラルもとるように注意します。最も良いのは柔らかくて水気があり、かつつぶつぶしたものが入っていない滑らかな食べ物です。肉や果物はピューレにして柔らかくします。パンはミルクその他の適当な飲み物に浸してから食べるようにします。缶詰は柔らかくて水分が多いため良い食品です。さらさらした液よりもとろみのある液の方がのみ込みやすいので、すり潰したじゃがいもを加えるなどして汁物にはとろみを持たせるのが良い方法です。また、増粘剤(とろみをつける食材)が薬局等で手に入ります。液体は熱いとのみにくいので、冷やすことを勧めます。男女比は男性が女性に比べて1.2-1.3倍であり、男性に多く認めます。この病気は中年以降いずれの年齢の人でもかかることがありますが、最もかかりやすい年齢層は60~70歳台です。まれにもっと若い世代での発症もあります。特定の職業の人に多いということはありません。食事時にはできるだけ体を起こし、食事を終えた後も1時間位その姿勢でいることが望まれます。一度に口に入れる食べ物や汁物は少なくし、固形物と汁物を交互にとるのが大切です。あごを引いて呑み込むとむせが少なくなります。座れない人はあおむけで上体を30~40度起こし、頭の下に枕をして頭が少し持ち上がるようにすると良いでしょう。飲み込むときには「さあー、飲み込むぞ」と飲み込むことに意識を集中することが大事です。テレビを観たり、話をしながら飲み込みますと、むせやすくなります。食事回数を増やして1回の食事量を減らすのも良い方法です。特に呼吸困難のある場合は、食べ物で胃が張りますと呼吸が苦しくなりますので、食事回数を増やすことで息苦しさが軽くなります。Copyright(C) 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター私たちは毎日炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミンなどの栄養素と水分を十分にとる必要があります。ALS患者さんの場合、次のようなことがもとでこれらの栄養や水分が不足しがちになります。第1には、のみ込む働きそのものが悪くなること(嚥下障害と言います)です。そうなりますと食事に時間がかかって疲れてしまい、食べ物が気管に入ってむせて苦しむ(誤嚥と言います)ようになります。そのために食事の楽しみは失われ、逆に患者さんは食事をいやがるようになり、その結果、十分な量の食べ物や水分がとれなくなります。第2には、手や腕の力が弱くなるためにすぐ疲れてしまい、十分な量の食べ物や水分を口に運べなくなります。3番目には、手足の力が弱くなってトイレに介助が必要になりますと、トイレの回数を減らそうとして飲水量を意識的に減らしがちになります。多くの場合は遺伝しません。両親のいずれかあるいはその兄弟、祖父母などに同じ病気のひとがいなければまず遺伝の心配をする必要はありません。その一方で、全体のなかのおよそ5%は家族内で発症することが分かっており、家族性ALSと呼ばれています。この場合は両親のいずれかあるいはその兄弟、祖父母などに同じ病気のひとがいることがほとんどです。そのうちの約2割は上で触れたスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD1)の遺伝子異常が原因となっています。