ベートーベン 弦楽四重奏 名曲

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番は、実際には13番目に書かれた作品です。ですので第13番から15番までの大傑作3曲の中では、最も古典的な形式を残しています。この曲の作曲を進めていたベートーヴェンは腸カタルを悪化させてしまい、一時期病床に伏せていました。その後、回復して再び作曲に戻りますが、その時の感謝の気持ちがこの曲の第3楽章に反映されています。ベートーヴェンが書いた弦楽四重奏曲の中の最高傑作を第14番と考える人は多いですが、旋律線が極めて美しい第15番を第14番以上に好んでいる人もまた多いと思います。かくいう自分もその中の一人ですが、その大きな理由は、何と言っても後半の第3楽章以降の素晴らしさにあります。それでは僕の愛聴盤のご紹介です。ということで、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で一番好きなこの曲のマイ・フェイヴァリットは、ブダペストSQ盤を置いて他には考えられません。さて、次回はいよいよ最後の第16番です。<追記>ジュリアード四重奏団の旧盤を後から加筆しました。 3", Op. 「弦楽四重奏」とはつまるところ、様々な次元で同時に繰り出されるある種の言語だ。弦楽四重奏団には、家族のようにメンバーしか通じない言い回しがある。月日をへて、口論の中にもジョークを交え、複雑な考えを簡潔に伝え、議論からはいつ身を引くべきか、あるいは手を貸すべきかがわかる研ぎ澄まされた直感というものができてくる。作品18の後わずか6年で、ベートーヴェンは弦楽四重奏曲にとりかかった。この間の彼は非常に多くの作品をてがけ、音楽言語の新境地を開拓していた。初期のベートーヴェンは、古典派で許容される規範に限界を感じ苛立っていたが、ラズモフスキー伯爵に献呈したなぜ弦楽四重奏曲を作曲せねばならないのか? なぜピアノ独奏曲の明澄さやオーケストラの色彩と壮大さを弦楽四重奏曲は諦めるのか?「中期」の弦楽四重奏曲が周囲のあらゆる期待に応えたものとするならば、「後期弦楽四重奏曲」は作品世界そのものに属している。弦楽四重奏団のアイデンティティについて、こう言われることが多い。アンサンブルとしての個性は、何年もの時を経て個々人の個性よりも大きくなると。団体としての個性はメンバーが交代しても継続するようだ。最後の弦楽四重奏曲となった*「カザルス弦楽四重奏団 ベートーヴェンサイクル」公演詳細・チケット購入は〒チケットセンター:サントリーホールディングス株式会社は公益財団法人サントリー芸術財団のすべての活動を応援しています。入会のご案内WEB会員ページ〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1チケットセンター:0570-55-0017サントリーホールディングス株式会社は公益財団法人サントリー芸術財団のすべての活動を応援しています。 https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/chamber2018/topics/essay.html 名曲リストからクラシックの作曲家ベートーヴェンの名曲 ... 弦楽四重奏曲 第9番 「ラズモフスキー第3番」 ハ長調 作品59の3 . 弦楽四重奏のコンサート企画を考えています。せっかくだから人気がある曲を聴いてもらいたいなぁと思っているんですが、弦楽四重奏業界にはあんまり詳しくないので、自分の感覚を頼りにしていいのかどうか、イマイチ自信がありません。 ということで、調べてみました。 を経て共に歩んだ歴史がある。ベートーヴェンの音楽には、ただのモチーフ(動機)ですら、幾つもの意味が秘められている。弦楽四重奏団は年月を重ねるにつれ、客観的な現実などなく、あるのはただ共通した経験に対する異なる見方のみだと認識するようになる。ベートーヴェンは、27歳で ハルくん様morokomanです。前人未到のこのシリーズ、いよいよ15番まできましたね。自分はズスケをかつて持っていました。ほかの番号と一緒に、失われてしまいましたが。あと、ブダペストは1度聴いたことがあります。確かに印象深く、感銘したことを覚えています。で、現在は図書館にあったラサールを聴いています。田舎の図書館なのに、よくラサールをそろえていたものです。適当な四重奏団のものを買い込んで、お茶を濁すことだってできたはずなのに……。CD購入係の方には、足を向けて眠れませんね。とはいえ、15番に限って言えば、あまり感銘しませんでした。いえ、演奏についてはやはり超一流なのですが、ヴァントが指揮をしたブラームスの第4番のような感想を持ってしまいます。すなわちラサール四重奏団全員の意思として「感情に身をゆだねることを、拒否している」ような気がしてなりません。曲の構造を分解し、そのつくりを明確に聴き手にあらわしていくことを目的としたようにさえ感じます。そこにはハルくん様ご指摘のとおり、「敬虔な祈りとは幾らか異なる」意図が底に流れていると思います。もしかすると、ラサールはベートーベンとは別の意図を持って15番に臨んだのかもしれない、とさえ感じてしまいます。なので、13番ではとりわけ高く評価しているラサールですが、15番については、特に「ベートーヴェンと一緒に敬虔な祈りに浸りたい」と願う方には、私もあまりお奨めできません。ラサールの意図がどこにあるのか、自分もよくわかりませんが、もし彼らの意図が自分でも理解できるようになったとき、おそらくものすごく感動するのかもしれないな、と思いますけれども。投稿: morokoman | 2013年9月 1日 (日) 21時35分morokomanさん、こんばんは。いつもコメントをありがとうございます。投稿: ハルくん | 2013年9月 1日 (日) 22時48分ハルくんさん、こんばんは。投稿: ヨシツグカ | 2013年9月 2日 (月) 00時51分ハルくんさん、こんばんは~。さあ~、いよいよ第15番ですねぇ~。この曲は第14番と並ぶ最高傑作と思いますが、明確な古典形式の器に~この世を超越したかのような、崇高で美しく深い情緒と祈りを盛り込んだこの曲は、私にとって何物にも変え難い宝石のような逸品です!なかんずく、第3楽章のリディア調の感謝と祈りの旋律は、いつ聞いても涙が溢れます。正に晩年のベートーヴェンの信仰告白を聞いているようで、深い感銘と共感を覚えて身震いするほどです!卓越した作曲技法と世人の評価、そして独りよがりな情念の全てを超越した~自然体の晩年を生きるベートーヴェンの姿が透けて見えるようです。私は、初めアルバン・ベルクSQで聞いたのですが~、何が何だかさっぱり解りませんでした。ズスケSQの演奏で初めてこの曲の真髄を知らされ、深い感動を覚えましたねぇ~。あとは、貴殿のお薦めのブダペストSQ~、それからヴェーグとエマーソンのを是非聞いてみたいですね。投稿: kazuma | 2013年9月 2日 (月) 21時10分ヨシツグカさん、こんばんは。後期の四重奏曲は本当に素晴らしいですよね。ゲヴァントハウスSQの全集はとても素晴らしいのですが、この曲に関してはどうも”普通の”演奏に感じてしまいます。もしかしたら聴き返すうちに印象が変わるかもしれませんが。アウリンSQは未聴ですが、しばらく間をおいてまた新しい演奏を聴く時には是非聴いてみたいですね。投稿: ハルくん | 2013年9月 2日 (月) 22時25分kazumaさん、こんばんは。13番から15番、とりわけ14番と15番の2曲はベートーヴェンの最高到達点ですね。ズスケSQももちろん素晴らしいですが、ブダペストSQ、ヴェーグSQ、エマーソンSQ、どれも是非お聴きになられてください。この曲からまた新しい感動が得られるのではないかと思います。投稿: ハルくん | 2013年9月 2日 (月) 22時36分ごぶさたしています、忙しくて昼休みにPCに向かう暇もありませんでしたが、この曲には一言報告。12月の手術後、入院中に聴いていました。投稿: かげっち | 2013年9月 4日 (水) 12時30分かげっちさん、お久しぶりです。憶えていますよ。入院中にお聴きになり勇気を奮い立たせておられたとのことを。投稿: ハルくん | 2013年9月 4日 (水) 23時27分この記事へのトラックバック一覧です: ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番は、実際には13番目に書かれた作品です。ですので第13番から15番までの大傑作3曲の中では、最も古典的な形式を残しています。この曲の作曲を進めていたベートーヴェンは腸カタルを悪化させてしまい、一時期病床に伏せていました。 3 弦楽四重奏曲 第10番 「ハープ」 変ホ長調 作品74 .