北信州 ツーデーパス 松本駅
北信州ツーデーパス 「北信州ツーデーパス」はその名の通り長野県北部の路線が2日間利用できるフリーきっぷです。これまで発売されていた「信州北回廊パス」を北陸新幹線開業・信越線の第三セクター転換を機にリニューアルし、今年3月14日より発売されています。 今年のGWは10連休!前半の4月末に日程を確保した。私の経験ではGWはどこへ行っても混んでいる。それを避けるには、誰もが思い付かないようなプランを考える必要がある。さらに経験上、特急の指定席は満席だけど普通列車は空いている。こんな時に有効なのが観光とは程遠い駅などの探索だ。しかも普通列車で組み立てるのが得策。以前は御殿場線の遺構探索や、飯田線の秘境駅探索などを行っている。ところが最近は秘境駅も大盛況で、GWは恐らく人だかりだろう。秘境の雰囲気ではないかも知れない。うーん、日帰りだと他に思い付かない。そうすると宿を確保する必要がある。探してみると長野で安宿の空室を見付けた。なるほど、ちょうどいい駅がある。元は国鉄の信越本線で、現在はえちごトキめき鉄道の関山と二本木。関山は元スイッチバックの駅で、旧ホームが残っていると思う。二本木は現役のスイッチバック駅。さらに、飯山線にもチェックしている駅がいくつかある。そして、このプランならJR東日本の北信州ツーデーパスが最適だ。3セク路線の関山や二本木、もちろんJR飯山線の駅もフリーエリアに含まれている。うまく条件に合うプランができた。ラッキー。と言う事で1日目、6時には名古屋駅へ。北信州ツーデーパスの入口駅、姨捨までの乗車券を購入してホームへ上がる。いつもの6:12発中津川行き。10両編成のオールロングシート。適当に左側に座った。東海道本線からの接続待ちで約1分遅れて発車。晴れていい天気。ワクワクしてきたぞ。大曽根を過ぎると高い建物が減って遠方の景色が見えてくる。高蔵寺を出て定光寺、古虎渓辺りはトンネル地帯。土岐市辺りから景色に緑が多くなる。新緑が眩しい。いつものように美乃坂本から乗り換え準備行動。席を立って4両目の右前扉へ。7時半過ぎ、定刻に中津川に到着。扉が開くと同時にダッシュして、ホームの反対側にいる松本行き普通電車に飛び込む。2両編成で狙い通り左窓側を確保できた。すぐに満席になって、立っている人も何人かいるが、思ったよりは少ない。やはり普通電車は普段とそれほど変わらないのだろう。中津川を定刻に発車。まだ桜が残っている所もある。田んぼには水が入っていて、空の色を写すから青い。いい景色だ。倉本を出ると景勝地の寝覚の床。並行して走る国道19号の道の駅木曽福島の辺りから御嶽山の頂が見える。奈良井辺りの桜は満開だった。10時前に塩尻に到着。JR東日本のエリアに入ったので、一旦降りてみどりの窓口で北信州ツーデーパスを購入。きっぷのフリーエリア外なので、自動券売機では買えない。姨捨までの乗車券の同時購入か、または提示が必要だ。スムーズに購入できたので1本早い電車に乗れた。20分ほどで松本に到着。お昼の駅弁タイムは長野だが、今日は予めここで調達。とりめし梓にした。最近の定番、ホームの立ち食いで月見そばを食べて、次の11:09発長野行きの乗車位置へ。データでは10:56到着の電車が折り返す。2両編成の想定で後ろの車両の中央扉。電車は少々遅れて到着。中央扉の読みは正解で最初に乗り込めた。左のボックス席を確保。電車は約5分遅れて発車。少々ダイヤが乱れているようだ。やはり全体的には乗客が多いのだろう。この電車も満席で立っている人もいるが、普通電車はいつもと変わらない。松本を出てしばらくすると、左の車窓には街並みの向こうに北アルプス。いい景色だ。トンネル地帯に挟まれた高原エリアを抜けると、下り坂になって右には日本三大車窓の景色が見えてきた。そして現役スイッチバックの姨捨に到着。ここから北信州ツーデーパスのフリーエリアに入る。12時半頃、長野に5分ほど遅れて到着。データでは次の妙高高原行きは12:52頃に入線する。急いで待合室に入って駅弁タイム。松本駅弁の大好物とりめしの豪華版。美味しかった。そしてホームへ来たのは12:45頃。もうすぐ入線だ。空の3両編成が来るはず。最後尾の中央扉の先頭に並べた。すぐに列ができてきた。電車はデータ通り入線。乗り込んで左ボックス席を確保。思いっきり陽が当たるけど、黒姫山や妙高山が見えるはず。私のボックス席には老ご夫婦が来た。だるま弁当を食べだした。高崎から新幹線に乗ったのかな。美味しそうだ。電車は定刻に発車。周辺はりんご畑だと思うが、花が咲いている。豊野を出ると勾配を登りだす。沿線には桜やスイセンも咲いている。古間辺りから大きめの山が見えてきた。スマホの地図を見ながら車窓を眺める。先ほど見えたのは角度的にたぶん妙高山。黒姫を過ぎると黒姫山が真横に来る。少し前方には再び妙高山。南から順に飯縄山、黒姫山、妙高山と並んでいる。イマイチ逆光気味なのが残念。妙高高原で直江津行きに乗り換えて1区間。14時頃に最初の下車駅の関山に到着。次の電車は15:17発。滞在時間は1時間以上確保した。この駅は昔はスイッチバック駅。当時は勾配区間の途中ではなく、水平な引込み線を敷いて、そこにホームを建設し列車を停めた。蒸気機関車時代には必須の設備だったのだ。本線上にホームを移した今でも、その遺構が電車からも見える。さて、改札を出て駅舎を撮影。少し歩くと、現役の線路とスイッチバック引込み線が分かれる部分があって、その付近に線路を跨ぐ歩道橋がある。全景が見えるかもと思って歩道橋に登る。分岐部分はしっかり見えたが、旧ホームは先端が少し見えるだけだった。もっとこっちへおいでよ。と誘っているようだ。歩道橋を降りて線路沿いの道路を歩く。建物の間から島式ホームが見えてきた。さらに行くと建物が途切れて、廃ホームがしっかり見えた。これは凄い!ホームの終端と、その先の線路の終端を回って反対側の道へ。途中にJR東日本の敷地の境界を示す杭を発見。その隣には国鉄時代のものも。道路からは死角になっていた単式ホームが、こちら側からは見えた。駅舎に面していたホームだろう。周辺の道路の形などから、駅舎があった位置もある程度推測できる。駅名看板は錆びていて、ほとんど読み取れないが「せきやま」は何となく分かる気がする。時計を見たら14:50。はやっ!急いで駅へ戻ると15時過ぎ。面白過ぎるわ、この駅!予定通り次の直江津行きに乗車して、15時半頃に次の二本木に到着。リゾート列車の雪月花が入線して来た。乗務員さんに聞いたら約15分停車だと。この駅は現役のスイッチバック駅。周辺をぽてぽてと探索してきた。駅前には立派な桜があった。少し葉が出ていたけど充分だ。隣の工場への引込み線があったらしいけど、その跡が見えるような場所は見付けられなかった。工場の敷地からなら見えるだろうが。今日の所は収穫無し。桜に出会えて良しとするか。予定通り16:20発の妙高高原行きに乗って、終点で長野行きに乗り換え。左のボックス席に座れた。ありゃ!黒姫には貨物ホームの跡とターンテーブルが残っているぞ。げげっ!古間にも立派な廃ホーム。次の牟礼との間には旧線のトンネルの遺構も。めっちゃ面白そうやん!最近はこちら側に座っていなかったので知らなかった。こりゃ、また来なきゃね。17時半頃に長野に到着。晩ご飯は駅ナカのいつもの蕎麦屋さんにした。季節の天ぷら盛り合わせが山菜だった。もちろん純米吟醸も。他にも追加してお酒もお代わり。最後は蕎麦。はー幸せー。2日目、7時半過ぎには長野駅へ。最初に乗るのは飯山線の8:35発戸狩野沢温泉行き。改札で入線時刻と編成を確認すると8:09の入線で2両だと。おお、いいタイミング。改札を入って駅弁売り場へ。8:30からの営業だと。これは困った。新幹線乗換改札の向こうを覗くと売店が営業している。改札の駅員さんに事情を話すると改札を通してくれた。信濃路幕の内弁当を購入。改札の駅員さんに感謝。在来線に戻って飯山線のホームへ降りると7:45。まだ誰もいない。そりゃそうだろうねえ。一般旅行客が発車時刻の30分以上も前に来るわけがない。8:08頃に折り返し列車が到着。4両で到着して前の2両は切り離し。後ろの車両で左のボックス席を確保。今日は午前中だから、いつもと反対側にしてみた。列車は定刻に発車。豊野までは昨日も通った区間。りんごの花がきれい。その他にも菜の花や雪柳など、春らしい花いっぱいの景色。豊野からJR飯山線に入ると右に千曲川。この時間帯は思いっきり逆光で、川の景色はしばらくお預け。飯山から団体さんが乗って来た。添乗員さんに聞いたら、2区間だけローカル線を体験する行程が含まれているのだと。ふーん?。私には意味不明な行程だ。9時半頃、最初の下車駅の信濃平に到着。滞在時間は約24分。すぐに探索開始。現役ホームは昔は島式で、反対側にも線路があったのだろう。今の線路の配置がそれを物語る。駅の北側には踏切があるが、そこを過ぎると線路が不自然にカーブする。二股に分かれるポイントがあった痕跡だ。島式ホームの西側には貨物ホームの跡があり、その間には線路2本分の間隔がある。駅前には駐車場があり、そこに駅舎があったに違いない。当時はホームのスロープを降りて、構内踏切で線路を2本渡ると改札があったのだろう。あっと言う間に列車の時刻。9:55発の長野行きに乗車して約20分で2番目の下車駅、替佐に到着。滞在時間は約43分。現在でも島式ホームで両側に線路があり交換可能。小さめだが駅舎があり、隣接する駐車場が貨物ホームだったと思う。島式ホームは昔は2両分程度で、延長して3両分くらいにした形跡。駅舎から遠い方にホームに面していない側線がある。ホームに立って豊野側を見と、ポイントで現在の2本の線路が別れた後、片方の線路は僅かだがもう一度不自然に曲がっている。恐らくあの位置にもポイントがあり、今は途切れている側線が繋がっていたのだろう。11:00発の越後川口行きに乗車。次の下車駅までは40分くらい。替佐に来る時に見付けたのだが、蓮と替佐の間に旧線のトンネル跡があった。この列車からもう一度見てみる。替佐を出てトンネルを抜けた後、左に分岐する築堤跡がある。その先は工事現場で無くなっているが、築堤を延長した辺りにはトンネルの入口があり、出口も確認できた。築堤はさらに続いて、もうひとつトンネルに入る。出口からは舗装された小道が見えた。トンネルの直径が小さいから、広げるよりも今のトンネルを新しく掘ったと考えるのが妥当かな。11時半過ぎに上境で下車。滞在時間は約83分。次に私が乗る長野行き13:07まで他の列車は来ない。まずは駅弁タイム!暖かい春風吹くローカル線のホームのベンチで、誰にも邪魔されずに駅弁を食べる。はー、癒されるう。GWにこんなにのんびりできるなら、それだけでも価値がある。食べ終わると12時ちょうど。腹ごしらえができたところで探索開始。昔はホームの反対側にも線路があって、島式だったのだろう。ホームの飯山側にはスロープがあり、それを潰してホームを延長した形跡。隣には線路2本分の間隔をおいて貨物ホームの遺構が残る。敷地の形から、飯山側からはカーブを描いて敷地に入り、島式ホームの2本と貨物ホームに分岐していたと推測できる。そうすると延長したホームが邪魔になる位置関係だと思う。貨物ホームの線路が撤去されたのは、ホームを延長するより前の事だったのだろう。改札を通って駅前広場へ。貨物ホームには線路があった訳だから、旧駅舎は今より道路側にあったと思う。駅の北側には踏切がある。昔の線路はそこからまっすぐ伸びて、島式ホームの反対側へ列車を導いたのだろう。そんな位置関係だ。現在の線路は不自然に曲がってホームまで来る。長野行きは定刻運行。楽勝で右のボックス席に座れた。13時半頃、飯山で約14分停車するので、ホームのゴミ箱に駅弁の空き箱を捨てて来た。14時過ぎに信濃浅野に到着。滞在時間は約27分。現役のホームは島式ホームだったと思う。ここにも貨物ホームの跡があり、同じように島式ホームとの間には線路2本分の間隔がある。そのスペースには桜があり、もう少し早ければ花見もできたのだろう。元のホームはやはり2両分程度で、延長して3両分にした感じだ。貨物ホームの線路は行き止まりになっていたと思う。駅舎が立つ敷地の形から推測できる。14:33発の列車に乗って、約7分で最後の上今井へ。滞在時間は約87分。持て余すな、こりゃ。今のホームの下に旧ホームが隠されている。ホームを嵩上げした際に少し幅を縮め、同時に飯山側のスロープが放棄されたのだろう。幅を縮めたおかげで嵩上げされなかった部分が露出して、その証人となっている。線路を基準にして駅舎とは反対側の敷地が広くなっている。駐車場になっている場所にも、恐らく何本か側線があったのだろう。敷地の飯山側の端は、それを思わせる形になっている。貨物ホームでもあったのだろうか。豊野側に踏切があり、線路はカーブを描いて敷地に入る。そのスペースに余裕はほとんどなく、踏切の舗装の具合などから、ポイントで分岐したとしても側線1本分だろう。そうすると残りのスペースは、やはり貨物ホームや荷役施設と考えるのが妥当だ。しかし、貨物ホームが駅舎と反対側にあったとすると、駅舎を出て右手の駐車場の場所には何があったのか?全く想像がつかない。かと言って駅の駐車場になっている訳だから、無関係な土地だったとも考えにくい。最後に謎が残った。と言う事で、駅探索はこんなところで終了。はー、楽しかった。16時過ぎの列車に乗って長野までは約30分。今日は一杯やらずに普通電車で帰ります。晩ご飯は駅弁ではなく、ヒレソースかつ丼弁当を購入。17:14発の大月行きに乗って塩尻で下車。ここから上松までは特急に乗っちゃう。20分ほどあるので、待合室で晩ご飯のお弁当タイム。美味しかった。特急の自由席は思っていたより空いていた。上松で先行していた普通電車に追い付くので乗り換え。さらに中津川でも乗り換えて、名古屋到着は22時半頃。GWはやはり駅探索が得策だな。いくつか課題が残ったけど楽しかった。情報収集をして、また行かなきゃ。