甲状腺の一部に結節様の(しこりのような)できものが生じることがありますが、多くの場合は良性です。 ヨードの不足を原因としてしこりが生じることもあります。 原因・・・不明. 甲状腺腫瘍は、大きく良性疾患と悪性疾患に分けることができます。 良性. 甲状腺腫瘍. 甲状腺嚢胞は甲状腺の中に 血液成分などの液体が溜まった袋状のしこりができる病気 です。悪性の場合はほとんどなく、しこりが小さい場合はそのまま経過を見ていきます。このページでは「甲状腺嚢胞」の原因・症状・治療法などについて解説しています。 原因・・・不明. 健診で「甲状腺が腫れても怖い病気とは限りません。甲状腺の位置が腫れる主な原因を挙げます。甲状腺の病気バセドウ病首の皮膚や脂肪組織に症状が出る病気その他頚正確には「腫れ」とは言いにくいものや、甲状腺ではなく首の皮膚などが腫れているものを含めています。この中で甲状腺が腫れる原因で一番多いのが病気で甲状腺が腫れていても、治療する必要がない場合があります。バセドウ病に対しては有効な治療法があります。健康診断などで甲状腺の腫れが見つかっても、大きな危険が隠れている場合は少数です。「甲状腺肥大」という言葉をネットではよく見かけますが、実は病院で「甲状腺肥大」とはあまり言いません。甲状腺の腫大(しゅだい)または正確には「肥大」はひとつひとつの細胞が大きくなることを指します。バセドウ病などで起こる変化には当てはまりません。ネットで情報を探すときには「特に体調が悪いわけでもないのに「甲状腺が腫れています」と言われると不安になりますね。甲状腺が腫れるとはどんな状態なのでしょうか?甲状腺は図の位置にあります。甲状甲状腺の大きさは左右に4cmほどです。皮膚のすぐ下にあるので手で触れます。ただし、正常な甲状腺は軟らかいので、かなり注意深く触らないと周りと区別できません。甲状腺が腫れると喉元が太くなってきます。鏡などを使って横から見ると、甲状腺の部分が盛り上がって見えます。首を左右前後に動かすと喉元が突っ張る感じがします。触ってみても、周りより膨らんでいると感じたら腫れています。甲状腺が腫れても軽度ならあまり気付くことはありません。大きくなるにつれて自覚しやすくなります。甲状腺は年を取るとだんだん小さくなります。そのため、少し腫れても見つけにくくなります。つばを飲むなど、喉が食べ物を飲み込む動きをすると甲状腺も一緒に動きます。腫れたものが喉と一緒に動かなければ、甲状腺ではなく皮膚の下の組織が腫れているのかもしれません。甲状腺全体が大きく腫れる原因で特に多いものとして、バセドウ病と原因を見分けるには検査が必要です。血液検査がまず重要です。血液の中でバセドウ病になると甲状腺が全体的に腫れます。痛みはありません。バセドウ病の症状として以下のものがあります。目の症状目が飛び出す(まぶたが腫れているように見えるものが二重に見える(眼が痛くなる眼が赤くなるまぶしく感じる(羞明)物がゆ首が腫れる(甲状腺が腫れる)生理(月経)の異常生理不順、生理が止まる皮膚の症状かゆみ、毛が抜ける、細くなる皮膚が黒くなる筋肉の症状筋力低下手足が震える突然手足の力が入らなくなり、しばらくすると戻る(心臓の症状脈が早くなる(ドキドキする(息切れ血圧が上がる胃腸の症状食欲が増す/落ちる口が乾く便の回数が増える、腹痛、下痢心の症状イライラする集中力が落ちる落ち着かない気持ちになる(眠れなくなる一時的に周りの状況などを理解できなくなる(その他の症状暑がりになる、汗をかく、多汗疲れやすくなるだるさ食欲は旺盛なのに体重が減る性欲減退女性化乳房1人に全部の症状が出ることはありません。甲状腺の腫れ以外に症状が目立たないこともあります。血液検査で甲状腺ホルモンや異常なバセドウ病では血液検査のうち甲状腺ホルモン(T3、fT3、T4、fT4)の値が高く、甲状腺刺激異常な抗体(TRAb)の検査値は高くなります。甲状腺の中にほかの病気が隠れていないか、寒がり、寒気疲労、疲れやすい、ボーっとする、記憶力・集中力低下脈が遅くなる(息苦しい声がかれる、声が出ない、舌が大きくなる体温が下がる体重増加(食欲は不振)皮膚が乾燥する、まぶたのむくみ脱毛生理の量が多い(手の指のしびれ・痛み(耳が聞こえにくい(すべての症状が出ることは普通はありません。なんとなく元気がないだけの場合が多いです。甲状腺ホルモン(fT3、T3、fT4、T4)の検査値は低く、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値は高くなります。甲状腺の中にほかの病気が隠れていないか、超音波検査(エコー検査)などで調べることがあります。汗をかく手が震える(振戦)脈が速くなる(頻脈)体温が上がる下痢体重減少症状はバセドウ病とよく似ています。甲状腺の痛みが大きな違いです。血液検査で甲状腺ホルモンの量を調べて診断します。甲状腺ホルモン(T3、fT3、T4、fT4)の値が高く、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が低くなります。甲状腺の中にほかの病気が隠れていないか、超音波検査(エコー検査)などで調べることがあります。甲状腺の働きには食事に含まれるヨウ素(ヨード)が関係しています。ヨウ素を多く含む食品を下の表にまとめます。表 食品100gあたりのヨウ素含有量食品ヨウ素含有量こんぶ200-300mgとろろこんぶ200-300mgひじき30mgわかめ10mg寒天2mg味付け海苔7.5mg青のり6.5mg海苔の佃煮0.5mg(「バセドウ病治療ヨウ素の摂取量は1日0.25mgから10mgが適切です。適切な量のヨウ素を摂取していれば、甲状腺にはほとんど影響がありません。タバコは甲状腺が腫れる原因とは言えません。喫煙で甲状腺の病気が悪化する可能性はあります。治療のためにも禁煙したほうが良いと思われます。しかし、タバコだけで甲状腺の病気のすべては説明できません。禁煙しただけで治るとも言えません。妊娠が原因で甲状腺の異常が引き起こされる場合があります。ただし、甲状腺が腫れる原因はほかにもあります。甲状腺が腫れたら妊娠だとは言えません。ただし、いびきの原因としてはほかに参考:甲状腺のしこりは良性腫瘍なら命に関わることはほとんどありません。悪性腫瘍と良性腫瘍を区別するには検査が必要なのですが、症状からもある程度推測できます。甲状腺の良性腫瘍と悪性腫瘍を区別する特徴を説明します。「しこり」とは硬くなっているという意味です。「かたまり」のことだと思ってください。「かたまり」と言うと手のひらでつかめるぐらいの大きさを想像するかもしれませんが、甲状腺の「しこり」には1cm以下で見つかるものもあります。「しこり」の中には肩こりぐらいの硬さの「しこり」も、石のように硬い「しこり」もあります。甲状腺の「しこり」は周りの皮下脂肪と続けて触るとやっと区別できるぐらいの硬さのことがあります。甲状腺の全体が一様に大きくなるのが腫れ(腫大)、一部に硬い塊ができるのがしこり(結節/腫瘤)です。全体が腫れることをびまん性甲状腺の腫れとしこりは見ても触っても紛らわしいことがあります。見分けるポイントは左右の差です。甲状腺が腫れる病気は左右両側が腫れることが多く、甲状腺のしこりは通常左右どちらか片側にだけできます。甲状腺の良性腫瘍には、主に3種類あります。甲状腺嚢胞(こうじょうせんのうほう)甲状腺の良性腫瘍の特徴は、甲状腺の左右どちらか片方にできることです。数mmから数cm程度のしこりが触ってわかります。汗をかく手が震える(振戦)脈が速くなる(頻脈)体温が上がる下痢体重減少甲状腺の良性腫瘍は、甲状腺の腫れやしこり以外の症状がなければ、急に大きくなったりほかの症状を引き起こすことがありません。急いで治療する必要もありません。診断で大切なのは、悪性腫瘍と間違えないことです。甲状腺嚢胞の中にはごくまれに悪性腫瘍が潜んでいます。検査で甲状腺嚢胞が見つかったときはがんを探す検査に進みます。超音波検査腫瘍の形や石灰化などの特徴がわかります。甲状腺に針を刺して細胞を取り出し、顕微鏡で観察します。甲状腺の周りに腫瘍が広がっていないかを調べます。甲状腺が硬くなっている甲状腺が硬くなることは要注意のサインです。甲状腺がでこぼこしている首の皮膚の色が変わる家族に家族に高血圧と骨折があるバセドウ病か甲状腺が痛む主な原因としては、甲状腺の悪性腫瘍が進行して、甲状腺周囲の血管や神経を巻き込んで大きくなると痛みが出やすくなります。甲状腺の悪性腫瘍が原因の場合は、甲状腺が硬くなったり、でこぼこしたり、皮膚の色が変わったりすることがあります。子供で甲状腺の位置が腫れる病気の例を挙げます。バセドウ病多型滲出性頚嚢胞正確には「腫れ」とは言えないものや、甲状腺ではなく皮膚が腫れるものを含めています。このうち甲状腺の病気は以下です。むくみ、だるさ、体温が下がる、脈が遅くなるなどの症状があります。目立った症状はない場合が多いです。甲状腺の痛みがあります。バセドウ病汗、震え、下痢、体重減少、脈が速くなるなどの症状があります。子供がかかりやすい甲状腺の病気は、落ち着いて治療すればいいものがほとんどです。20歳未満では甲状腺が腫れている原因がバセドウ病や腫瘍だった場合、手術の選択肢があります。バセドウ病の手術は甲状腺の全部または一部を取り除く手術です。手術では治療効果が早く確実に現れます。一方、以下の問題を引き起こす可能性もわずかにあります。飲み込みにくいしゃべりにくいけいれんバセドウ病の治療法として、手術以外に薬とバセドウ病の薬は甲状腺ホルモンの量を減らす薬です。抗甲状腺薬と言います。よく使われる薬はチアマゾール(商品名:メルカゾール®)とプロピルチオウラシル(商品名:チウラジール®、プロパジール®)の2種類です。チアマゾールは高い効果がありますが、妊娠中・授乳中は使えません。プロピルチオウラシルは妊娠中にも使うことがあります。バセドウ病に対してはバセドウ病の放射線療法(甲状腺ホルモンには甲状腺ホルモン製剤はバセドウ病の治療後に甲状腺ホルモンが減りすぎたときにも使います。バセドウ病や妊娠場合によっては妊娠する前に手術が勧められます。バセドウ病や甲状腺の機能には食事に含まれるヨウ素が関係しています。ヨウ素の摂取量は1日0.25mgから10mgが適切です。特にバセドウ病の放射線療法をするときは注意が必要です。放射線療法の前の一定期間は、ヨウ素を多く含む昆布やひじきなどの食品は避けてください。甲状腺の病気は代謝内分泌内科はホルモンの働きに詳しい診療科です。甲状腺ホルモンの異常も専門の範囲です。甲状腺の手術をしているのは乳腺甲状腺外科です。最初にどの科に行っても、必要に応じて適した診療科に紹介してもらえます。病院に行くときは、どんな症状が出ているのかいつから症状が出ているのか過去にどんな病気にかかったか家族に甲状腺の病気の人はいるか飲んでいる薬はあるか