卵白 レシチン 乳化性
乳化とは、水や油などのお互い混ざり合わない2つの液体の一方を微粒化させ、他方に分散させることをいいます。卵黄のタンパク質に含まれているレシチンという成分が、この反発する2つの性質を中和する働きがあります。 パティシエが教える失敗しないスイーツ目次料理でもよく使うので、いろいろとご存知かと思いますが、しっかりと復習していきましょう。今回は卵の特性です。  卵黄と卵白とでは、熱で変性するタイミングが違います。これを利用して、温泉卵も作られます。卵黄は 卵白は つまり、70℃程度の温度を保てば、温泉卵が出来るということです。また、お菓子で卵の熱凝固性を分かりやすく利用したのがプリンは基本的に牛乳、砂糖、卵、です。卵に熱を加えることで、プルプルの状態に固まっていきます。砂糖の回でも書きましたが、続きを見るこのときに砂糖を多く加えることで、卵が熱変性する温度を高く出来、焼き上がりが柔らかくなります。  卵黄の約64%は油脂で出来ています。しかし、その1/4つまりレシチンは一つの分子の中に親油基と親水基を持つことから通常では混ざらない、水と油を繋ぎ合わせて安定状態にすることを乳化といいますが、卵黄はそのマヨネーズはいい例ですが、お菓子ではバターケーキ等が分かりやすいかと思います。バターケーキはバターよりも卵が多く配合されるものもあります。そんなものでも分離せず安定した状態を保てるのは卵の乳化力のおかげです。また、乳化をすることで焼き上がりも柔らかくなり、目も細かく、綺麗に膨らみます。 本来、混ざりあわない乳化にも2種類あり、水中油滴型と油中水滴型です。水の中に油滴が分散して安定的に存在すること。油の中に水滴が分散して安定的に存在すること。  卵白の中にあるこの変性が進むと、水分を抱えきれなくなり離水して来るので、その手前を見極めて泡立てるのを止めます。 ですので、一昔前までは卵白を数日間常温で放置してコシを抜くこともありましたが、衛生麺の問題もあり、卵白にキウイ等のタンパク質分解酵素を持ったフルーツ果汁を少量混ぜ込み置くことで、水様卵白になるのを促進したりしています。また、うちのお店では殺菌冷凍卵白という商品も使用していて、これはコシが切れているので泡立ちやすいです。 卵白の卵黄にも油脂がありますが、卵黄中の油脂はレシチンで覆われた油滴状になっているので、直接卵白に触れにくいため、液体油やバターほどは阻害はされません。卵白の砂糖はタンパク質の変性を抑制する作用があり、泡立ちにくくなりますが出来た気泡は細かくなり安定性が増します。レモン汁とクレーム・タータ(酒石酸水素カリウム)は、アルカリ性の卵白を中性に近づけると気泡が安定するので、酸性のモノを足す目的で入れられることがあります。また、夏場の水分の多い卵白であったり、マカロンを作ってしっかりしたメレンゲを作りたいとき、等には卵白を乾燥した乾燥卵白を足して立てることもあります。 全卵を泡立てると卵白だけで泡立てるよりも泡立ちにくいですが、前項でも書いた通りレシチンのおかげで泡立てられます。全卵は泡立てにくいため、卵白だけとは違い、乳化力も働いているため柔らかい気泡になります。 続きを見る砂糖 がお菓子に及ぼす影響とは何でしょうかチョコレート って美味しいですよね。ケーキ屋さんには無くてなならない材料の一つです。凝固剤 ってどういうものなのでしょう?膨張剤 ってどういうものなのでしょう?膨張剤には大きく分けると3つの種類が知られています。バター ってどういうものなのでしょう?パティシエとして誰もが知るホテルで修業後、シェフパティシエ・工場長・専門学校講師・コンテスト最優秀賞、商品企画、ブランディング、等様々な経験を元に、スイーツの作り方等をパティシエが投稿するサイトです。現在は企業様の顧問として経営改善や商品開発等をしたり、店舗開発のお手伝い、セミナー、youtube等をしています。 Copyright© sweets-design , 2020 All Rights Reserved. 乳化性. 乳化とは、水と油など本来混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること。マヨネーズ、バター、マーガリン、アイスクリーム…。なぜ混和でき、いかにして混和はキープされているのか。あまから手帖から、料理人が解説する「おいしいを科学する料理理科」第6限目です。 乳化作用は卵白の持つ独特の特性。 卵白のタンパク質に多く含まれているレシチンは、水と馴染みやすい水溶性と油と馴染みやすい脂溶性という反発する2つの性質を中立する働きがあります。 卵白の 起泡性を阻害 するものとしては、油脂があります。 液体油 や バター がそれです。 卵黄にも油脂がありますが、卵黄中の油脂はレシチンで覆われた油滴状になっているので、直接卵白に触れにくいため、液体油やバターほどは阻害はされません。 マヨネーズにとって欠かすことのできない卵は、人間に必要な栄養素を多く含み、健康な生活をサポートしてくれます。そんな卵にこだわるキユーピーは、キユーピーならではの技術力で卵の可能性を引き出しています。 ③乳化性. タマゴは卵黄と卵白では異なる性質をもっています。卵黄ならではの性質は「乳化性」。これは卵黄に含まれるレシチンという脂肪によるものです。この乳化性を活かして作られるのが「マヨネーズ」。酢と油を卵黄で乳化させて作ります。 レシチンとはどのような栄養素か。レシチンを摂取することで、どのような効果があり、どんな役割を果たしてくれるのかなどについて、基礎知識を詳しく解説しています。 取材協力:キユーピー株式会社公式SNS電話:03-3502-8111(代表)法人番号:5000012080001Copyright : Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries