運営: 腎移植患者さんは、移植をうけた腎臓が働き続けているかぎり、この免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。 免疫抑制剤 には多くの種類があり、それぞれ働きも副作用も違うので、十分な効果を発揮するとともに副作用を小さくするために、2~3種類のお薬を併用します。 - 移植後の患者さんはCKDの保存期の患者さんと同じだと思いますので、その点から考えると、運動をした方が移植腎にも良い影響があるのではないでしょうか。松沢理学療法士:
コラム 2019.06.21 執筆者
コラム 1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻機能医科講座内部障害分野教授。東北大学病院リハビリテーション部長、同障害科学専攻長。日本腎臓リハビリテーション学会理事長。「腎臓リハビリテーション」という新たな概念を提唱し、腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させる活動に尽力。著書に『腎臓病は運動でよくなる!』(マキノ出版)など多数。上の写真は、「ハンス・セリエ賞」のメダルを手にする著者。別記事:私が勧めている「運動療法を行うと、全身の血流が促進され、内臓脂肪の減少や、血圧や血糖値の調整に役立つからです。運動療法は、大きく三つに分かれます(下記やり方参照)。一つは、ウォーミングアップに当たる「しかし、必ずしもこれらの運動をすべて行う必要はありません。時間に余裕のない人や、体力に自信のない人は、腎臓リハビリ体操や腎臓リハビリ運動だけでもいいでしょう。大事なのは、運動の強度は、息切れしない程度にとどめます。息が上がるような強い運動は、かえって腎臓に負担をかけてしまい、よくありません。運動前や運動後に行ってほしい四つの簡単な体操です。これまで安静第一で過ごしてきた人は、まずはこの体操だけでも始めてください。一つひとつの動きを10〜15秒かけてゆっくり行います。リラックスした状態で、体を動かす範囲をできるだけ広げるつもりで行いましょう。それぞれ5〜10回行うのを1セットとして、1日3セットを目標にしてください。最初は無理をせず、少ない回数から始め、慣れたら少しずつ回数を増やします。両足をそろえて立つ。その状態でかかとの上げ下ろしを行う。アキレス腱を伸ばす効果もある。イスなどにつかまって体を支えながら、一方の足を前や上、後ろに上げる。反対の足も同様に行う。足を肩幅に広げて立つ。ばんざいをするように両腕を上げ、元に戻す。腕は耳に近づけるようにして上げる。足を少し開いて立つ。そのまま軽くひざを曲げて腰を落とし、元の姿勢に戻る。お勧めしたいのは、ウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動です。足を使って筋力を鍛えると、血流がよくなって酸素の取り込み量が増えます。この酸素の取り込み量が、寿命の長さを決めます。心肺機能の向上、肥満の解消、血圧の降下、耐糖能の改善(インスリンの効きをよくする)など、さまざまな効果が認められています。ウォーキングは、1日20〜60分を週に3〜5回行います。速く歩く必要はありません。息が上がらない程度の速さで歩いてください。長く歩けない人は、3〜5分程度の軽い散歩を数回行ってもいいでしょう。また、足がふらつきそうな人は、ペダルこぎのマシン(エルゴメーター)を使うと、室内で安全に有酸素運動ができます。腎臓リハビリ筋トレでは、特に片足立ちとスクワットをお勧めします。いずれも下半身の筋肉強化に役立つだけでなく、バランスを取るために、上半身の筋肉も使われる優れた筋トレです。週に2〜3回、どちらかの運動を行えばいいでしょう。2日続けて行う場合は、同じ運動をせず、交互に行ってください。筋肉は、負荷をかけるとダメージを受け、それが修復されるときに太くなります。筋肉の修復には24時間かかるといわれています。同じ部位の運動を続けると十分修復できず、かえって筋肉にダメージが残ります。筋トレでは、筋肉に力を入れるときに息を吐き、緩めるときに息を吸うのが基本です。力んで息を止めると血圧が上がるので、気をつけてください。左足の太ももが床と平行になるくらいまで引き上げ、1分保つ。右足も同様に行う。これを1セットとして、朝昼晩、1日に3セットを毎日行う。★1分の片足立ちで大腿骨頭(太ももの骨の頭部)に加わる力は、53分歩くことで得られる総負荷量と同じ。★太ももの筋肉を強化。なお、病院で運動療法を受けたい人は、日本腎臓リハビリテーション学会のホームページの「施設会員」を参考にするといいでしょう。This article is a sponsored article by 腎臓リハビリテーションとは、腎臓病患者や透析患者に対して「運動療法、食事療法、薬物療法、教育、心理サポートなど」を行い、身体・精神的影響を軽減させて生命予後を良くするための包括的なケア … 運動リハビリ・運動療法は現代を生きる私たちに共通の課題で、腎臓病・腎移植と運動の観点から最新情報が論議されましたのでレポートします。 「腎臓リハビリテーション・エクセサイズと腎移植」<前編>はこちらから。 今回は、「腎臓リハビリテーションって何ですか?」という質問に答えたいと思います。まず、はじめに腎臓リハビリテーションの定義について説明します。腎臓リハビリテーションは、「腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ、症状を調整し、生命予後を改善し、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として、運動療法、食事療法と水分管理、薬物療法、教育、精神・心理的サポートなどを行う、長期にわたる包括的プログラム」と定義されています。では、リハビリテーションとはなにかというと、「能力低下および社会的不利をもたらすような状態の影響を軽減し、能力低下および社会的不利のある者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を包含している」とWHOが規定しています。世間一般では、リハビリ、リハビリと言われますが、正しくは「リハビリテーション」という言葉であり、「リ:再び」、「ハビリス:適した、ふさわしい」、「エーション:にする」で、『再び、適した状態にする』という意味を持ちます。腎臓リハビリテーションの定義はわかったけど、対象はだれなのでしょう。腎臓リハビリテーションの定義から読み取ると、「腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ・・・」とありますので、さらに具体的に挙げると、私自身は、主に血液透析患者さんへの作業療法やその研究を行っています。ここまでで、腎臓リハビリテーションの定義を学び、対象も理解しました。次に気になる点として、腎臓リハビリテーションに関わる診療報酬が挙げられます。いわゆるリハビリテーション専門職である作業療法士や理学療法士が実施する「作業療法」や「理学療法」の疾患別リハビリテーション料の区分には腎臓リハビリテーションは含まれていません。つまり、腎臓リハビリテーションとしては診療報酬を算定することができません。ただし、透析患者が脳血管疾患になった場合や骨折をした場合などは、脳血管疾患リハビリテーション料や運動器疾患リハビリテーション料を算定することができますので安心してください。では、腎臓リハビリテーションに関わった際に算定できるものはないの?という思いがあるかと思います。実は、ひとつあります。それは、「高度腎機能障害患者指導加算(100点)」です。平成30年度の診療報酬点数では、eGFR (mL/分/1.73 ㎡)が 45 未満の患者に対し、専任の医師が、当該患者が腎機能を維持する観点から必要と考えられる運動について、その種類、頻度、強度、時間、留意すべき点等について指導し、また既に運動を開始している患者についてはその状況を確認し、必要に応じて更なる指導を行った場合に算定する。なお、指導については日本腎臓リハビリテーション学会から「保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」が示されているので、 指導が適切になされるよう留意されたい。とあります。現実的には、算定が難しい施設もあるかと思いますが、運動指導が診療報酬として認められるということが素晴らしいことだと思います。今後、腎疾患リハビリテーション料や透析患者に対する運動指導加算などが算定できるようになれば、さらに腎臓リハビリテーションが普及していくと思います。現時点では難しい課題ですが、ひとりひとりがしっかりと目の前の患者さんに向きあい、腎臓リハビリテーションの介入効果を示していくことが大切であると考えています。今回は、腎臓リハビリテーションとは?ということについてまとめました。今後は、具体的な運動療法や透析患者の身体機能、認知機能などについて書いていきたいと思います。 とある大学のリハビリテーション学科で教員をしている作業療法士です。 とある大学のリハビリテーション学科で教員をしている作業療法士です。
森田 研 市立釧路総合病院 泌尿器科 副院長2019.08.30 ドクターコラム2019.07.26 ドクターコラム2019.07.05 ドクターコラム2019.12.20 MediPress編集部コラム2019.11.15 ドクターコラム2019.10.25 ドクターコラム【ドクターコラム】新型コロナウイルスに正しく注意しましょう! 第1弾 -移植患者さんに知ってほしいこと―【MediPress編集部コラム】新型コロナウイルス感染症と腎移植施設の現状 -東京女子医科大学病院-【ドクターコラム】今しばらく、新型コロナウイルスに正しく注意し続けましょう。第3弾 -予防と希望-※直近6ヶ月間(2020/1/26〜2020/7/26)の新規掲載記事の中から、直近1週間で最も読まれたトップ3を表示しています。腎移植とくすり【2020年7月発刊!】腎移植 あなたの疑問に 記事1『腎不全とは? ステージ分類と治療法、腎移植について』でご説明したように、腎臓は左右対称に2つあり、腎移植ではドナーから片方の腎臓を摘出します。腎機能が2つの腎臓を合わせて100だとした場合、1つを摘出すると50にまで下がるかと思われますが、多くの方の場合、残った腎臓がもう少し頑張ることで60〜70に保たれます。