コナン 安室まとめ . 安室透の『名探偵コナン』初登場エピソードは第75巻File.9「プライベート・アイ」です。第75巻が発行されたのが2012年ですから、安室が私たち読者の前に現れてから、すでに5年以上が経っています。 FBIと言えば安室が仇敵と目する赤井秀一が所属する組織。赤井もまた安室と同じように、FBIに所属しながら「黒の組織」に潜入していました。赤井は「ライ」というコードネームで、バーボン=安室と、安室と同じ公安からの潜入捜査官だったスコッチというコードネームの男と、同じ時期にともに活動していたのでした。日本という国を愛し、日本のために身命厭わず任務に服するストイックな日々を過ごす安室ですが、そんな中にも意外に熱い一面がところどころに除きます。車を降り、冷凍車の荷台にコナンたちがいることを確かめた安室を犯人は見咎め、やはり口を封じようとします。しかし安室は犯人が行動に移る暇も与えず、鋭い左フックでノックアウト!そこでは安室も鋭い推理を見せるのですが、その後すぐに師匠である小五郎に「ですよね?」と話題と手柄を振り分けています。当の小五郎は安室が推理した点については分かってはいなかった様子で曖昧な返事をしています。なお、劇場用『名探偵コナン』第20作「純黒の悪夢(ナイトメア)」で『名探偵コナン』に初登場した風見はアニメ先行のキャラクターで、原作漫画ではこのエピソードがはじめての登場となります。ヒール・アンド・トゥとは、マニュアルトランスミッション(MT)車を運転するときのテクニックです。妻である妃英理が仕事先で倒れたとの報を受け、小五郎は慌てて病院に駆けつけます。先に蘭とコナンが来ていて、英理の手術は終わっていました。次の項からは安室の魅力が覗く意外な事実、ちょっとした一場面を漫画『名探偵コナン』から10コ選んでご紹介します。風見の捜査協力のおかげで、確かめられなかった手掛かりが手に入り、携帯ストラップは無事に灰原の手に戻りました。しかし残念ながら、風見自身はこの功績を知らないままです。なぜか阿笠博士宅の隣、工藤邸前に車を停めて仮眠を取っていた安室に乗せて貰い、駅の遺失物係に向かいますが、届いていたのはよく似たかたちの別の携帯ストラップ。少ない手掛かりをもとに安室とコナンたち少年探偵団は携帯ストラップの行方を推理します。いつも冷静で余裕を見せる安室が不測の事態に大声を出すのです。沖矢がテレビの声が聞こえないから静かにするようにと告げるくらいですから、普通の話し声よりよほど大きな声で喋っているのでしょう。「車を傷つけたくないから道を譲ってくれ」ということと、「あなたたちを傷つけたくないからコナンたちの身柄を譲ってくれ」ということをダブルミーニングさせた粋な台詞です。何が起こっても自分は無事でいるという自信がないと言えませんね。一方、来葉峠に至る山道を走る公安はFBIの2人を捕縛しようとしていました。沖矢が頑なに赤井であることを明かさなかった場合、彼らを人質に取って正体を明かすよう仕向けるためです。しかし、安室の携帯電話が鳴り、「赤井が発砲した」と告げます。FBIの2人を追う公安の部下たちからの報せです。この操作がスムーズに行われないと、カーブやターンの際にギアがロックして、車がガクガクしたりスピンしてしまったりと危険です。マスクをつけて迎える沖矢と工藤邸で対峙する安室。同じ頃、FBIのジョディとキャメルの二人が来葉峠へと向かう車を公安の車が追います。安室は沖矢の面前で赤井失踪の絡繰を解いてみせ、沖矢=赤井であることを暴露しようと詰め寄っていきます。連載開始から24年が経つというのに人気が衰えない『名探偵コナン』。最も人気があるキャラクターのひとりと言えば、2018年の劇場版で大活躍し、人気急上昇の安室透です。人気絶頂の安室透の意外な事実を10コ、ご紹介します!このときの安室は、実はコナンが推理をしているのだという「眠りの小五郎」の絡繰を知りません。『名探偵コナン』第84巻File.10「僕の日本から…」より。片手運転、脇見運転にならないよう、ヘッドセットを使用して会話しています。また、よく見ると、きちんとシートベルトも着用しています。一瞬、見えただけのレシートから幾つかの文字を読み取り、ただそれだけの要素から、誰から届いたどういった用件の「レシート」なのかを判断し、すぐに行動に移せる頭脳の機敏さはさすがです。風見はもちろん公務中。仕事中に上司から電話で指示を受けたのですから、仕事と思って機敏に行動しています。よもや少女が紛失した携帯ストラップを探す手伝いをさせられているとは思ってもみないでしょう。ベルツリー急行の一件(第78巻File.1~File.7)が終わった後のこと、園子の誘いでコナン、蘭、小五郎は伊豆高原の別荘でテニスをすることになります。そこにはテニスのスペシャルコーチがいると言うのですが、何とそれは安室でした。レシートを拾って暗号を解読した後、安室は愛車RX-7でコナンたちがいるであろう場所にやってきます。コナンたちは殺人犯が死体隠蔽のために利用している宅配業者の冷凍車に閉じ込められていました。また、動揺が声に表れているのはふきだしのかたちを見れば明らかですし、沖矢に声をかけられたときには愕然とした表情も見せています。これほど取り乱した様子を見せる安室は、このエピソードでしか見ることができません。目の前にいる沖矢=赤井だと信じていた安室は席を立ち上がり、明らかに動揺した声で部下を問い質します。英理は虫垂炎(盲腸)とのことで大事もなく、それは一安心なのですが、その病院の別の病室で事件が起きます。目暮警部や高木刑事がやってきて、病院には安室も別件で来ています。車内の小五郎が携帯電話で犯人は自分たちが走っている路線を「青いスイフト」で走っていると情報を受けます。それを聞いた安室の目にはちょうど対向車線を走る「青いスイフト」が。ただちに安室は車を急転回させます。阿笠博士宅に帰り着いてから紛失したことに気づいた灰原はあまりのショックに放心。コナンたちはストラップ捜索に乗り出します。しかし、この興行成績は、これまでの劇場用『名探偵コナン』全21作(2017年現在)のうち、最高額を記録した第21作「から紅の恋歌(ラブレター)」の68.9億円を抜いて、ぶっちぎりの第1位です。「安室の女」たちの底力による結果といえるでしょう。事件がひとつ解決した後、おそらく帰路についたのだろう安室は一人、車に乗り、電話かそのほかの通信機か画面からは分かりませんが、何らかの通信機器を介してベルモットと話します。RX-7で走行中、つまり運転中です。「安室=バーボン」であることがベルツリー急行の一件で明確になったこともあって、コナンは警戒しますが、そこに飛来したテニスラケットがコナンの頭を直撃! 倒れたコナンは招かれた園子の別荘ではなく、意図せずラケットを放り投げてしまった学生の別荘へと運び込まれます。そこで事件が……。趣味はボクシング。テニスはジュニア大会で優勝の経験を持ち、ギターも華麗にきこなします。愛車は白いマツダRX-7、運転技術はスタントドライバーも驚愕するだろうほど。料理も上手で喫茶ポアロで提供するハムサンドはそれ目当てで来店する客もいるくらいです。何でもうまくこなしてしまう安室透、何というハイスペック!口の前に人さし指を立てるジェスチャーは、フィクションの世界ではたびたび見受けられますが、実際にやる人はあまりいませんし、フィクションのなかでもイケメン仕様です。ヒール・アンド・トゥは難しく、また公道を走る市販車ではほぼ必要のないテクニックで、超高速の世界でコンマ1秒を争うF1パイロットなどのプロドライバーが使うもの。安室はその場でコナンがレシートに忍ばせた暗号を読み解いてしまいます。風に飛ばされた小さな紙片を知識と計算と脚力で見つけ出した上、暗号も難なく解読してしまうなんて、最早や超能力者と言っていいのでは?風にさらわれたレシートの見つけ方もすごい! 何と風力や風向、地形などからレシートが飛ばされた方向をシミュレーションで予測して、風にさらわれたレシートを見つけ出そうというのです。駆けながらスマホを操作しているのは、風力などを調べてシミュレーションのための計算をしているのでしょうか。思わず「はい?」と聞き返してしまう風見が何とも言えないコメディタッチで微笑ましくさえあります。安室に「早くしろ!」と急かされ、周囲を気にしながらも言われたとおりに窓に息を吹きかけると文字が浮かび上がりました。だからコナンの仕種が不思議に見えたのかもしれませんが、小学生の目の高さまで身体を折り曲げて覗き込むというのは、30歳間近の男性の行動にしてはずいぶんかわいらしすぎますね。ちょうど安室もポアロに勤めに出ていて、ともに事件を捜査します。ルミノールという血液を感知する薬剤の説明や現場の状況を流暢に話す安室を見て、平次は「何者や、あの男…」と訊ねます。このとき、平次と安室は初対面だったのです。『名探偵コナン』第94巻File.6「ストラップを探せ!」より。そんなプロのテクニックをとっさの急転回時に使えるなんて、かっこいいですね。愛車がマツダRX-7というスポーツカーであることも相まって、クールさが際立ちます。公安としての正義を貫く安室は「ゼロの執行人」終盤で、こう言いました。『名探偵コナン』第93巻File.1「待ち合わせは喫茶ポアロで」より。しかし、スコッチは組織に潜入捜査官であることがばれてしまい、自決を余儀なくされてしまいます。赤井の目の前で拳銃を自分に向けて発砲し、絶命したスコッチは、安室の警察学校での同期で、彼にとって大切な存在でした。公安は身分を隠し、職務を隠し、重要な任務を遂行します。それは「存在しない組織であれ」という意味を込めて警察庁警備局警備企画課を「ゼロ」と通称することにも現れています。電話の相手は安室の忠実な部下、警視庁公安部の風見裕也警部補。生真面目な風見は安室の指示通りに指定された電車に乗車します。初登場から年月を経て、劇場用作品のほぼ主役といえる座を獲得し、2018年現在興行成績第1位を叩き出した男、安室透とはどんな人なのか、ここでおさらいしておきましょう。降谷は国家の安全のために「黒の組織」にバーボンとして潜入し、公安としての捜査活動をしていました。公安の降谷であることも「黒の組織」のバーボンであることも、いずれも伏せておくために「安室透」は存在しているのです。このエピソードの少し前、第81巻File.2「赤井秀一の消息」のラストで安室はコナンについてこのように言っていました。もちろん安室は許されるキャラクターですが、さらにウインクまでついていて、ハートを射抜かれてしまったファンも多いことでしょう。安室ファンにとって、このひとコマはかなり高い価値があるといえるのではないでしょうか。「正義」を貫く安室もときにはこんな公私混同をするとは、意外な一面が見られるエピソードでした。犯人が先ほどまで一緒にいた人物と判明し、コナンを助け出すべく、世良真純はバイクで、阿笠博士と灰原哀は沖矢昴の車で、そして蘭と小五郎は安室の車でそれぞれ走り出します。安室は公安でもかなり高い地位にある様子で、部下も多くいます。なかでも風見は安室に忠実に、任務に忠実に行動します。しかし、それを私用に使ってもいいものでしょうか……。バーボンは闇社会で暗躍する「黒の組織」の一員として活動する人物。「黒の組織」と言えば高校生探偵・工藤新一にAPTX4869という開発途中の薬を飲ませて幼児化させ、江戸川コナンとして生きることを余儀なくさせた組織です。では、バーボン=安室も悪の一人なのでしょうか?彼は、私立探偵・安室透として登場した彼はすぐにへっぽこ探偵・毛利小五郎に弟子入り志願し、毛利探偵事務所の下階にある喫茶ポアロでアルバイトをはじめます。 突然、東京にやってきた服部平次と遠山和葉。聞けば銀座のイルミネーションを見に来たと言います。蘭を誘いに来た和葉が蘭と一緒に小五郎の夕食を用意している間、平次とコナンは喫茶ポアロに。そこで折り悪く殺人事件が発生。「僕たちの」ではなく「僕の」日本、と言いきりました。「ゼロの執行人」では「僕の恋人は……この国(日本)さ!」と言い放った安室。「僕の」なんていう独占欲さえ垣間見える言葉をつけるところを見ると、まさに「恋人」のように熱烈に日本を愛しているのでしょう。名は安室透(あむろ・とおる)、職業は私立探偵をしながら喫茶ポアロでアルバイト。年令は29歳、独身。右利きです。殺したいほど憎い相手には左利き。車の運転もスポーツも料理もピッキングも、何でもできる万能者のような安室ですが、このようにはげしく感情を動かす姿を見ると、より人間的な親しみが感じられます。コナンと小五郎、安室、静岡県警の横溝警部が事件解明に当たり、謎が解けたコナンがいよいよ小五郎を使って推理ショーをしようと腕時計型麻酔銃を構えたとき……。読み解いた暗号の内容を頼りにコナンたちがいるところに駆けつけ、彼らを助け出しますが、彼らには「レシートは見つけられなかった」と安室は言います。偶然通りかかったのだ、と。「大急ぎで駆けつけた」とは言わないところがまたかっこいいですね。他所の国の捜査官など、自分が守る日本にはいらない。そんな気持ちも重なっているのでしょうか。このあと、前の項でご紹介したように「レシートは見つけられなかった」と言って立ち去るのです。まるでヒーローものの映画の主人公のような、颯爽とした去り際です。来葉峠で死んだと思われていた赤井が生きていると踏んだ安室は、工藤邸に間借りしている沖矢の許を訪れます。沖矢こそが赤井の身をやつした姿だと看破してのことです。『名探偵コナン』第80巻File.4「工藤様方配達物」より。前の項と同じエピソードからです。安室が喫茶ポアロでの勤務中のこと。コナンが安室に事件を知らせるために暗号を忍ばせたレシートを猫に託して届けようとしたところ、梓がそれを手に取ったのですが、風にさらわれてしまいます。それが何らかの事件に関わるものと気付いた安室は、ポアロの仕事をその場で切り上げて、レシートを追います。その安室の人気が爆発的に上昇したのが、2018年公開の劇場用『名探偵コナン』第22作「ゼロの執行人」です。この映画で安室の魅力を目の辺りにし、「安室の女」を自称する熱心なファンとなった女性が大勢出現しました。安室透の『名探偵コナン』初登場エピソードは第75巻File.9「プライベート・アイ」です。第75巻が発行されたのが2012年ですから、安室が私たち読者の前に現れてから、すでに5年以上が経っています。FBIのジョディ・サンテミリオンの友人が転落した事件で、安室は警察に呼び出されます。ジョディの友人の携帯電話に安室の電話番号も記録されていたからです。ジョディの友人はストーカー被害に遭っていて、探偵の安室に対策を依頼していたのです。「安室の女」たちは安室を「100億の男」にする、すなわち「ゼロの執行人」の興行収入を100億円に達せしめようと、足しげく劇場に通いました。しかし残念ながら、劇場での興行が終わった2018年8月19日現在の「ゼロの執行人」の興行収入は86.7億円(興行通信社調べ)。あと一歩及ばず、と言ったところです。いいえ、実はそれも仮の姿。警察庁警備局警備企画課、いわゆる公安に所属する降谷零こそが彼の本来の姿なのです。公安の仕事は「国を守ること」。国民一人一人の安全を守る警察官とは違って、国家の安定を図るのが公安の、そして降谷=安室の仕事です。安室は、赤井ほどの人物なら阻止できたはずの、スコッチの自決をみすみす許してしまったことで、赤井をいまも許せずにいるのです。その影響で、赤井が所属するFBIという組織にまで憎しみをあらわにします。この発言から、第84巻のこの事件の頃には安室もそろそろコナンの正体に気づきはじめていたのではないかと推測されます。小五郎に話を振るのも、コナンを真似たのかもしれませんね。しかし、その姿はどうやらフェイク。あるときは「黒の組織」に所属するコードネーム「バーボン」。またあるときは警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)に所属する降谷零(ふるや・れい)。3つの顔を持つ「トリプルフェイスの男」です。まさかスマホ運転?!