愛と調和これらにより、ニューロンから飛び出た「APP受容体」という長い分子が、アミロイドβを含む4つの断片に切断される。アミロイドβは神経ネットワークのダウンサイジングを行い、徐々にシナプスとニューロンを破壊する。APP分子がこの4つの断片へと切断されてしまうと、シナプスに栄養を与えて維持する2つの断片に切断されなくなる。ブレデセン医師らのグループは、従来の「脳に溜まったアミロイドβを除去する」ということから、さらに一歩進んで、「アミロイドβがなぜ、脳に溜まっているのか?」を掘り下げて研究した。その結果、アミロイドβの蓄積は、「脳の正常な防御反応によるもの」であったことを初めて突き止めることに、遂に成功した。脳は①炎症、②栄養不足、③毒素という3つの脅威にさらされると、それらに対する「防御反応」の一環として、アミロイドβを集積させて、脳自体を守っていることが明らかになった。・本書で紹介されている「リコード法」は、アミロイドβが蓄積する原因となる「3つの脅威」を取り除くために考案された、画期的な治療法。早期なら9割が回復と医学雑誌「Aging」で発表した。・この病気が恐れられる2つの理由。第一に、米国人の一般的な死因の上位10位中、アルツハイマー病には唯一、効果的な治療が存在しない。第二の理由は、単なる命取りでは終わらないためだ。死神が扉を開けるまで、何年も犠牲者の人間らしさを奪い、家族を脅かす。記憶、考える力、自立した生活を満足に送る能力-すべてが失われた患者は精神の奈落へと、容赦なく突き落とされていく。・盲目的にアミロイド仮説を信奉するのと同様の悲劇は、医学界の主流が、アルツハイマー病を単一疾患だと決めつけていることだ。・認知機能の低下(・新しい医学-21世紀の医学は、近代西洋医学と東洋の伝統医療の枠を結集し、分子メカニズムの知識を、1人の人間全体の理解へとつなぐものである。・アルツハイマー病は、脳が次の3つの代謝と毒物の脅威から身を守ろうとするときに起きる。脅威1:炎症(感染、食事またはほかの原因による)脅威2:補助的な栄養素、ホルモン、その他脳の栄養となる分子の低下や不足脅威3:金属や生物毒素(カビなどの微生物が産生する毒素)などの有害物質・それぞれの神経への脅威に取り組む基本は次の通りだ。アルツハイマー病で亡くなった人の脳の中を観察すると、病原体がみつかる。口のバクテリア、鼻から来たカビ、唇からヘルペスなどのウイルス、ダニのかゆみ傷からのボレリア。ますます多くの科学的エビデンスが、脳が病原体に侵入されると、アミロイドを産生するという結論を示している。だからこそ、認知機能の低下を防いで回復させるには、潜在的な炎症に対処し、免疫システムの病原破壊力を最適化し、こうした病原体と何年も闘って生じる慢性炎症を減らさなくてはならない。炎症の原因であるトランス脂肪や糖の摂取は避ける。トランス脂肪は人工脂質で、以前は焼いた食品やファーストフードの至るところで使われてきた。人間が進化の過程で処理できるようになった砂糖の量はほんのわずかだ。(1日15g、約355mlのソフトドリンク半量よりも少ない)。私たちの身体は糖を毒とみなす。だからこそ、すばやくいくつものメカニズムを活性化させて、血中と組織内の糖濃度を下げる。一つの理由は、余分なエネルギーは脂肪として蓄えるが、それが脳にダメージを与える要因である、アディポカインを産生するためだ。インスリンはアルツハイマー病にさまざまなメカニズムで密接に関係している。役目を終えたインスリンに対してインスリン分解酵素を介してインスリンの分解が行われる。インスリン分解酵素はアミロイドも分解する役目をもっている。アミロイドはアルツハイマー病でシナプスを破壊するたんぱく質のかけら。インスリン分解酵素がインスリンを分解しているときは、アミロイドの分解はできないのだ。最もいい状態で脳を働かすには、特定のホルモン、栄養素、栄養のある食品など、神経とシナプスの補助因子が必要だ。シナプスを強化する化合物には、脳由来神経栄養因子(BDNF)がある。BDNFは運動で増やせる。エストラジオールやテストステロンなどのホルモンは、処方箋、もしくは栄養補助食品で最適化できる。あとはビタミンDや葉酸などである。「リコード法」では毒素によるアミロイドの誘発を減らす効果的な方法を示す。まず毒物の特定から始め、発生源を取り除いてからデトックスする。特にアブラナ科の野菜などのデトックス食品を摂り、きれいな水を補給し、特定種類の毒物を基本的にサウナで除去し、グルタチオンのような重要な分子を増やすようにする。こうして、脳がアミロイドを大量生産する理由がなくなる。・屋根に空いた36個の穴。アルツハイマー病の病態生理には、少なくとも36の異なるメカニズムが寄与しており、そのひとつだけを治療しても成功のチャンスは少ない。検査結果で各人に対する、それぞれの穴のサイズが明らかになる。・病気の真の原因3タイプ:①炎症(感染またはトランス脂肪など) ②栄養や栄養因子とホルモン値の不足 ③毒性化合物に対する防御反応これらにより、ニューロンから飛び出た「APP受容体」という長い分子が、アミロイドβを含む4つの断片に切断される。アミロイドβは神経ネットワークのダウンサイジングを行い、徐々にシナプスとニューロンを破壊する。APP分子がこの4つの断片へと切断されてしまうと、シナプスに栄養を与えて維持する2つの断片に切断されなくなる。APPが、破壊4人組、または有益な2人組のどちらになるよう切断されるかに影響を及ぼす、36の要因を、できる限りたくさん、脳に与え続けるような生活を送ってしまうことが発症する原因である。 2019.10.26. また。注文すると思います。 残りわずか Powered by 引用をストックしました引用するにはまずログインしてください引用をストックできませんでした。再度お試しください限定公開記事のため引用できません。 『アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』デール・プレデセン著 . JANコード/ISBNコード:9784802611404
アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム . 星5 4件星4 最近は、忙しいこともあってなかなか昔のように湯水のごとくいろんな本を読み漁るみたいな時間はなくなったので、良書を選んでじっくり読むようなスタイルに変えています。本日ご紹介する本はこちら。私が常日頃訴えているのは「不妊治療費の保険適用」です。保険適用するためには当然ながら財源が必要です。日本の社会保障って何が課題なんだろう?と考えると、結局、その最たるものは厚生労働省と慶應義塾大学の研究班の「認知症の社会的費用」に関する研究によると、認知症によって年間にかかる社会的コストは医療費が1.9兆円、介護費6.4兆円、インフォーマルケアコスト(家族等が無償で行なうケアの実質コスト)6.2兆円と推計されています。しかもこれがことごとく効果を成していない実態。これもまた、不妊治療の保険適用を行なうに十分な財源に値するものです。 そこで、この「認知症」をなんとかしなければ高齢社会としての日本は立ち行かないと考え、読んでみる事にしたわけです。私の勝手な解釈ですが、書籍の中のキーメッセージは4点だと読み取りました。簡単に言えば、「脳に対して悪影響を与える因子を減らす」ことのようです。アルツハイマー病は脳を守るための正常な防御反応であり、脳に加わる36個の脅威となる因子を取り除く事が重要という主旨。具体的にはホモシステイン値などかなりの数の検査値において目標値があり、その値を目標値に近づけていくために食事、運動などの生活習慣を改善していく方法が取られているようです。「リコード法」が実践録のような形で記載されているので、ちょっと読み取るのが大変です。もう少し箇条書きとかチャートにするとかの方が親切なのにな、とは思いました。逆にそれくらいやる気のある人じゃないと取り組めないのかなと(笑)また、少しグルテンフリーに傾倒しすぎな気はしましたが、一部の臓器や症状だけでなく総合的に診断すること、生活習慣を見直す事、運動で改善したという実例はそれなりに説得力がありますし、今の治療薬は改善しないと言いつつ薬自体を否定しているわけではないのでそこらへんのトンデモ偽研究者ではないような印象を受けました。まだ大規模臨床試験の結果次第な所もありますが、指標となる検査値のトラッキングが各クリニックで比較的簡単にできるようになれば薬を使うよりもよほど有効な手段になり得るかもしれません。脳についても一般の健康診断でプロトコルを定めて毎年チェックするような機能を持つ必要があるような気がしますね。それによって何兆円もの医療・介護費が削減できるのであれば健診項目を増やす費用対効果は十分あると思います。また、以下は日本でお母様がリコード法を実践されている方のブログで、とても多角的に書かれているのでご興味のある方はぜひ。ちなみに、食事法がかなり重要だという主旨でしたが、推奨される食事の内容だと、トップテニス選手であるジョコビッチさんの著書の内容と共通している印象でした。そして、そばとかシラタキとか、わりと和の食材を推奨しているなぁとも思いました。彼の場合はグルテンと乳製品にアレルギーがあったわけなので、そうではない一般の人に簡単に当てはめるのはちょっと乱暴だなという気はしますが、読み物としてはおすすめです。推奨される食材リストやレシピもあるのですが、ここは写真をつけるとか少しグラフィカルになるような工夫が欲しいところでしたが・・・。 ということで、不妊治療世代は親がアルツハイマー世代になると思いますし、自分たちも当然向き合う必要が出てくる病の一つです。ほとんどの病気が手術や薬で改善できる時代であっても、長い間認知症は手に負えない疾患と思われてきました。しかし、もしかしたら今の医学の認識は間違っているかもしれない、認知症を治せるかもしれない。こんなものがある、というのを知っておいてもいいかなと思いましてご紹介しました。ちなみに、私の祖父は90歳になりますが、未だに認知症の「に」の字も心配ないくらい達者でケータイも使うし、料理も農業もするし、時事ネタの鮮度も高いうえに、外でがつがつ仕事をしています。読んでみると、祖父はこの本の「リコード法」のいくつかを自然に実行しているように思いました。その事実も私が「この本は結構正しいかもしれない」と感じる一因になっています。こういう方法論で本来は使用を避けられる社会保障費は可能な限り減らして、本当に必要な不妊治療費、保育園・保育士の確保、母子・父子家庭への補助、介護士の待遇改善等々に回すべきだと思います!! 健康・フィットネス. アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム - デール・ブレデセンのページをご覧の皆様へ HMV&BOOKS onlineは、本・CD・DVD・ブルーレイはもちろん、各種グッズやアクセサリーまで通販ができるオンラインショップです。 book review. こんにちは。ワンネスセラピストのMICHIKO 本レビュー 「アルツハイマー病 真実と終焉」 デール・プレデセン 「アルツハイマー病 真実と終焉」 デール・ブレデセン . Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。 無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。現時点ではこのメニューの読み込みに問題があります。 アルツハイマー病真実と終焉 - “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム - デール・ブレデセン - 本の購入は楽天ブックスで。全品送料無料!購入毎に「楽天ポイント」が貯まってお得!みんなのレビュー・感想も満載。