他のピルからヤーズへ切り替える場合 21錠タイプからの切り替え.
低用量ピルは1999年に発売が開始されて以降、ピルは「避妊」「月経周期の調整」を目的として服用するというイメージが一般的に持たれていました。現在日本国内ではヤーズは、低用量ピルの中でも「超低用量ピル」に属し、ピルの中でも新しい第4世代の薬です。おもに生理痛の緩和や月経困難症(PMS)の改善に用いられます。添付文書に記載されているヤーズの効能効果は次の通りです。・月経困難症ヤーズには、黄体ホルモンの「ドロスピレノン」と、卵胞ホルモンの「エチニルエストラジオール」という2つの女性ホルモンが配合されています。また28日周期の中で、他の低用量ピルが21日間(プラセボを含まない)の服用であるのに対し、ヤーズは24日間(残り4日はプラセボ)の服用が必要です。他の低用量ピルと比べて服薬期間が長いため、治療薬としても適しているという側面があります。日本では、ヤーズは避妊を目的とした低用量ピルではなく、「月経困難症治療薬」として認可されているため、添付文書を読んでも避妊効果については認められていません。ただし、何らかの理由で万が一妊娠してしまった場合、保障はないためあくまで自己責任という形になってしまいます。避妊効果を得たい場合は医師に相談してください。ヤーズを緊急避妊薬として使用することはできません。ヤーズは28日間で1サイクルという使い方の薬です。他のピルと異なる部分は、成分が入っている錠剤の数です。他のピルは通常は成分の入っている錠剤を21日間飲み、7日間の休薬期間(偽薬を含む)をとりますが、ヤーズはピンク色の錠剤を24日間、最後の4日間は休薬期間として白色の錠剤(偽薬)を服用します。ヤーズは「月経(生理)が始まった日」から飲み始めます。出血が終わっていても続いていても、28錠すべて飲み終わったらそのまま続けて新しい錠剤シートを飲み始めてください。1相性タイプのヤーズは3相性の低用量ピルと異なり、服用期間の28日間のサイクル中、ホルモン量が変わることはありません。プラセボ錠(偽薬)以外はすべての錠剤が同じホルモン量の錠剤となります。そのため万が一飲む順番を間違えても、プラセボ錠以外は同じ成分なので問題なく効果が続きます。ただし、1日1錠を飲むという飲み方を間違えたり、順番を間違えてプラセボ錠を飲むと効果が落ちたり不正出血が起きる可能性があるため、1相性タイプのヤーズでも飲む順番を守ることは大切です。飲み忘れに気づいたときにすぐに飲み忘れた分の1錠を服用してください。その後当日分の錠剤も通常の服用時刻に服用します。避妊目的のピルではないため、他の低用量ピルと比較すると飲み忘れに関しては神経質にならなくても問題ないでしょう。そのため2錠以上飲み忘れた場合、3錠をまとめて服用するのではなく、気づいたときにまず1錠服用し、服用時間に通常通り1錠服用するか、服用時間に2錠まとめて服用し、飲み終わる日を1日ずらすようにします。白色の錠剤には成分は含まれていないため、飲み忘れても問題ありません。飲み忘れた分も飲んだものとみなし廃棄してください。その後は順番通り服用します。現在服用しているシートの錠剤(21錠)をすべて服用し、7日間休薬したあと、29日目からヤーズを飲み始めます。現在服用しているシートの錠剤(28錠)をすべて服用したあと、29日目からヤーズを飲み始めます。ヤーズのおもな副作用として、不正子宮出血、乳房痛、乳房障害、頭痛、悪心(気持ち悪さ)、吐き気、嘔吐などの症状が挙げられます。ヤーズに限らず低用量ピルを始めて服用した際は、これらの副作用が出やすいといわれています。ヤーズを飲み始めて最初の1〜2か月は、頭痛や吐き気、月経とは異なる軽い出血(不正出血)などが現れることがあります。マイナートラブルといわれるこれらの副作用は、徐々に体が薬に慣れてくるので通常は3か月以内になくなっていきます。まずは3か月服用を続けてみてください。ただし、副作用が強かったり体に合わないようなときは、3か月を待たずにヤーズを処方してもらった医療機関へ行き、ほかの低用量ピルへの変更などを含めて医師に相談するようにしましょう。ヤーズの重大な副作用に血栓症(けっせんしょう)が報告されています。低用量ピルの服用には血栓症のリスクは付きものですが、とくにヤーズは死亡例が出ていることから厚生労働省は注意喚起を行っています。厚生労働省:下記のような症状がみられたら、すぐに服用をやめて医療機関を受診してください。その他、足に急激なしびれやむくみ、足がつるなど、服用前にみられなかった症状が増えた場合も同様に医療機関で診断を受け、他の低用量ピルに切り替えるようにしてください。ヤーズが処方されると「ヤーズ配合錠患者携帯カード」が配布されます。これは保険証と一緒に持ち歩くように指示され、緊急の際は医療機関がヤーズを服用していることが分かるようにします。血栓症は早く気がつき、すぐに治療を受けることで重症化を防ぐことができます。忘れずに携帯しましょう。おおよそ35歳以上でタバコを吸う人は血栓症のリスクが格段に高くなります。ヤーズを含む低用量ピルを服用する場合は禁煙することが望まれます。白色の錠剤である偽薬・プラセボ期間に消退出血(生理)が起こりますが、なかなか生理が来ない場合があります。休薬期間、偽薬・プラセボ期間に消退出血という出血(生理)が発生しますが、ヤーズを服用し始めたばかりの頃は、この消退出血の量が少なかったり、出血がないという場合があります。次のシートが処方されている場合、28錠すべて飲み終えたら生理が来ていても来ていなくても、新しいシートへ以降してください。出血がだらだらと続くような場合は、必ず医師に相談してください。体は生理を起こそうとしているのに、ヤーズが出血を抑えようとしているため、出血がだらだらと続く場合があります。ヤーズは医師の処方が必要な薬です。薬局やドラッグストアでは購入できません。そのため、ヤーズは婦人科、産婦人科で処方してもらう必要があります。避妊目的で服用する低用量ピルと異なり、ヤーズは「月経困難症治療薬」として用いられるため保険が適用されます。ヤーズなどのピルを長期服用する場合、定期的(3〜6か月に一度程度)に血液検査や血栓症の問題がないか、検診をする必要があります。また、すでに乳がんや子宮頸がんにかかっている人、または過去にかかったことがある人がピルを長期間飲むと、がんの悪化を促す可能性があります。18歳以上の方は定期的に「乳がん」「子宮頸ガン検診」を受けてください。これらの検診は、ほとんどの婦人科・レディースクリニックで行うことができるので、ピルを処方してもらっている医療期間にそのまま相談するのが良いでしょう。現在、ピルをインターネットなどの通信販売で購入したり、個人輸入で入手することは可能です。通販や個人輸入では、通常より安価であったり病院に行く手間が省けます。ピルは副作用が起こる可能性のある医薬品なので、個人輸入ではなく、国内の医療機関で販売されている正当なピルの使用をおすすめします。次の方はヤーズの使用を医師とよく相談しましょう。⑴⑵⑶⑷⑸⑹⑺⑻⑼⑽⑾⑿⒀⒁⒂⒃⒄エチニルエストラジオール含有経口避妊剤を併用した患者においてALT (GPT)上昇が高頻度に認められています。ヤーズとの飲み合わせに注意が必要な食べ物(サプリメント含む)や医薬品として、おもに以下のようなものがあります。いずれも併用が禁止されているわけではなく、必ずしも一緒に使ってはいけないわけではないため状況により一緒に処方される方もいますが、ヤーズの使用中にこれらの薬が必要となる場合は担当の医師としっかり相談しながら対応方法を確認しましょう。ヤーズは体質に合えばとても高い効果を発揮しますが、服用後に体調の変化を感じた場合は、3か月飲み続けるのではなくただちに医師へ相談してください。関連記事ピルとサプリメント・医薬品の飲み合わせを解説。中には飲み合わせで、...初めて低用量ピルを服用するときのポイントを解説。目的別の飲み方と飲...市販薬・処方薬を問わず、ユーザーから薬剤師QAに寄せられる花粉症の...口内炎薬の代名詞「ケナログ」 が、2018年6月に処方薬・市販薬と...低用量(超低用量)ピル・アンジュ・トリキュラー・ラベルフィーユ・マ...子宮内膜症は日本人女性の約10人に1人が発症しているといわれる大変...Copyright ©minacolor inc
急性期病院で働く大卒2年目看護師。ヤーズフレックス服用3年目です。ピルについて、そして看護の知識や健康について学んだことを執筆していきます。どうぞよろしくです! 困ったり悩んだりしている誰かにとって、あなたのその体験談が救いの光になるかもしれません。そんな思いで、体験談を共有し、自分の疑問や悩みを解決できる、また自分の身体を振り返るきっかけにもなれる、そんなオープンチャットを作りました。急性期病院で働く大卒2年目看護師。ヤーズフレックス服用3年目です。ピルについて、そして看護の知識や健康について学んだことを執筆していきます。どうぞよろしくです!Copyright - pms改善ピル「ヤーズ配合錠」とは? 保険適用のpms改善ピル「ヤーズ」 現在、生理前のつらい症状である pms(月経前症候群)の改善の為に 婦人科を受診すると・・・ 多くの場合、 女性ホルモン改善療 …
「ヤーズなどの超低用量ピルって、他の低用量や中用量ピルと比べてホルモン量が少ないから、避妊効果が弱まるんじゃないの?」こんな質問をいただいたので、お答えします。結論、避妊効果は弱まりません。しかし、「超低用量」だからこそ注意しなければいけないこともあります。 関連記事:【低用量ピルの飲み忘れ】日数・時間別の対処法と避妊効果. ピルに関して、よくある質問に的野ウィメンズクリニックの院長が回答いたします。ピルを飲める年齢、内診や検査内容、ピルを飲む時間やタイミング、併用してはいけない薬や赤ちゃんへの影響などを解説。ピル初心者からピルを飲んでいる人まで、幅広く知っておいてほしい内容です。 日常医療のオンラインプラットフォーム薬を買う薬を調べる薬剤師に相談するよく調べられている薬・キーワードおすすめの記事口角炎(こうかくえん)に効く市販薬を薬剤師がピックアップして解説。口角炎に...SNSで大ブレイクの癒やし猫「なごむくん」の限定パッケージが数量限定で発売...薬の名前から探すキーワードから探す【超低用量ピル】ヤーズの効果と副作用を解説!