エンヴィーは、漫画『鋼の錬金術師』において、主人公たちの敵対勢力である人造人間「ホムンクルス」のうちのひとりです。彼らの創造主である「お父様」によって、4番目に作られました。その名は「嫉妬」を意味しています。人間を見下しているホムンクルスたちのなかでも、とりわけその傾向が強く、人をいたぶり弄ぶことに喜びを感じる残虐性に溢れた性格の持ち主です。2度のアニメ化のうち、1期目は山口眞弓、2期目は高山みなみが声を担当。実写映画では、俳優の本郷奏多が演じます。こちらも要チェックですね。人造人間であるホムンクルスたちは、いずれも人間を模した姿形をしていて、ラストのようにはっきりと女性らしい体つきをしている者もいます。しかし彼らにはそもそも生殖機能がないため、性別という概念があるのかどうかはわかりません。エンヴィーはそんなホムンクルスたちのなかでも、もっとも中性的な見た目をしています。小柄で長髪、上半身はがっしりとしていますが、下半身はすらっとしているのが特徴です。そんなエンヴィーの見た目から女性に思っていたという声も少なくありません。一人称が「このエンヴィー」という変わったものであることも含めてそう勘違いされてしまうのかもしれません。そもそもエンヴィーは外見を自由に変えることができる能力をもっていて、普段の姿も変身後のもの。男性女性、さらには無機物の姿になることもできるので、性別などにはとらわれていないのでしょう。エンヴィーの能力は先述したとおり、変身。老若男女を問わず変身可能で、この能力を用いて奇襲や騙し討ちをするのが得意です。そんなエンヴィーですが、実は本来の姿は人型ではありません。その正体は、過去に賢者の石の錬成に使用した大量のクセルクセス人の体で構成された、見るもおぞましい巨体の化け物だったのです。もはや人間には戻れない存在になったクセルクセス人たちですが、かすかな意識のようなものはあるようで、生きよう、死のう、見ないで、など様々な言葉を投げかけてきます。エドワードがグラトニーの体から出るために彼らからつくられた賢者の石を使った時には、「ありがとう」とエンヴィーの体から解放される感謝の言葉を口にした者もいました。エンヴィー自身もその姿を醜いと自覚しており、その事実を知る者は誰であろうと消し去ろうとするほど嫌悪しています。しかしそれが正体かと思いきや、さらにエンヴィーには本体がありました。それは小さな恐竜かトカゲのような姿。目だけが大きく、左右4本の手のようなものを持っており、下半身は尻尾のようになっています。おぞましい巨体もそうですが、この小さな姿も彼のコンプレックスを物語った姿にも感じられます。その裏返しとして、普段は中性的で端正な顔立ちの人間の姿をしているのかもしれませんね。エンヴィーが関わってきた数々の悪行のなかでも、読者にとって印象深いのはやはり先述したヒューズ殺しでしょう。魅力的な人柄で人気のあった彼を、あろうことか愛妻に化けて襲撃するという卑劣な手段で殺害したエンヴィーは、後にヒューズの親友だったマスタング大佐によって倒されることになります。
SHARE鋼の錬金術師に登場するエンヴィーは”嫉妬”のホムンクルスで見た目は華奢ではありますが、楽観的で残忍な性格をし、大きな怪物になったり、賢者の石1個のみになると、小さい寄生虫のような姿になります。作中ではいろんな人に化けてイシュヴァール人、エルリック兄弟、マスタング達などを翻弄していく人物です。ここでは作中のエンヴィーの活躍や名言、名シーンを説明していきます。いつも飄々とし軽い感じのノリではありますが、何かに化けて人々を翻弄していきます。イシュヴァールとの戦いが過激になったきっかけを作ったり、コーネルに化けて民衆を煽ったり、時には暗殺を行うなど残忍な行為を行います。また人間をクズだったり、下等だと見下してはいますが、人間の姿を解いたエンヴィーは醜い化物になります。最期は見下していた人間のエドワードに心を見抜かれ、自ら命をたってしまいます。服装はお腹と肩、腕や足が露出した変わった服装をしています。頭はバンダナのような物をつけ髪の毛は長く、上半身は筋肉質だが下半身はすらっとしています。中性的で性別不明で、自分のことをエンヴィーと名前で呼びます。性格はホムンクルスの中では残酷、残忍でいつも飄々とし、軽い口調で人を見下し、挑発したりします。また神経を逆立てるようなことを言ったり、怒らせるようなことを言って人を翻弄させたりするなど、よく口が回る、饒舌な人物です。人間のことを下に見ていて、人間に出し抜かれたりすると怒り冷静さを失います。基本的には人間の格好をしていますが、変身をよくし、足場が深く沈むことから重量はとても重いです。実際中身は大きな怪物で、あちこちから人間の顔が出ています。また賢者の石が1つだけになるとエンヴィー本体のみになりますが、その姿は爬虫類のような姿になります。この姿になると力がないため、実際とにかく口が上手いです。いつもは見た目を気にして若者の姿でいるエンヴィーですが、正体は賢者の石となった人間達がそのまま体から現れる怪物の姿です。その姿は醜く、足も何本も生え、体の表面から見える人々は魂がそこにあるため死にたい、殺してと言い続けています。また賢者の石が残りエンヴィーの物だけになった時、爬虫類のような、哺乳類のような胚の形となります。力はないものの、賢者の石を見つけたらそれらを吸収してまた大きくなることが可能です。エンヴィーは本当によく喋ります。喋ることで秘密をばらしそうになったりして、注意を受けることもしばしば。また喋りすぎて、逆に火に油を注ぐような状況を作ってしまいます。また誰かを追ったり、逃げる時、作戦を実行する時など人や動物に化けます。通常の男の子のような姿も化けている姿ですが、何かに変身することで物語を進め、人々を翻弄していきます。イシュヴァールの戦いが激化した火種を作ったのが、なんとエンヴィーでした。アメストリスとイシュヴァール部族との衝突はあるものの、まだそれほど激しくはなかったのですが、エンヴィーがアメストリスの軍人に化け、イシュヴァールの子供を撃ち殺したことをきっかけにイシュヴァール殲滅戦へと事が運んでいきます。エンヴィーは約束の日につながるアメストリスの秘密を知ってしまったヒューズを殺害しに行きます。最初はしかしヒューズが武器を振りかざそうとした瞬間、エンヴィーはヒューズの奥さんの姿に化けていたのです。これにより、ヒューズは何もできず殺害されてしまいます。エンヴィーはイシュヴァールの時などもですが、人の弱みを見つけるのが上手いです。エンヴィーがヒューズを殺害した犯人だと分かり、マスタングは怒りに飲み込まれ、エンヴィーの賢者の石がなくなるまで燃やし続けます。舌や目などピンポイントで攻撃し、反撃させないように集中砲火します。しかしエンヴィーはその場から逃げて態勢を整えようと、ホークアイの前ではマスタング、マスタングの前ではヒューズに化けるなどして撹乱していきます。しかし、怒りで我を忘れエンヴィーに対して憎しみしかないマスタングをホークアイやエドワード、傷の男によって止められ正気に戻ります。マスタングに追い詰められたエンヴィーは傷の男とマスタング、ホークアイに挑発的な言葉を言い、お互いが争うように仕向けますが、誰一人として戦いません。そして賢者の石が残り1つとなった際、エドワードにエンヴィーの本質的なことを言われ、自ら賢者の石を取り出し、涙を流しながら自害します。エンヴィーの声を担当している高山みなみさんは名探偵コナンの江戸川コナン役で有名で、他にも魔女の宅急便のキキ役、ゲゲゲの鬼太郎の鬼太郎役など多くの人気作品で活躍されています。また実写版では若手人気俳優の本郷奏多さんがエンヴィーを演じられています。ここではエンヴィーの作中での名言、名シーンを紹介していきます。いつも人間を騙す側にいて、人間達が憎しみや怒りで戦い始める姿を嬉々として見ることが好きです。そんな人間のことを見下しゴミ虫や虫けらと言い貶しますが、自分が人間から見下されることを1番嫌います。一回キレると怒りで感情的になり、攻撃し始めます。マスタングにより賢者の石が残り1つになり、醜く力のない存在となったエンヴィーはエドワードに捕まります。そこでエドワードはエンヴィーは人間を嫌いながらも、1番人間を羨み、嫉妬しているとエンヴィーの本質部分を言います。エンヴィーは誰にも理解されなかったことを、1番嫌いな人間に理解されたことに屈辱と言い、自ら石を破壊し死んでしまいます。いつもは”エドワード”のことを鋼のおチビさんと言うも、この時だけ”エドワード・エルリック”と呼びます。またマスタングはエンヴィーが自害するのを見て”卑怯”と言うのでした。エンヴィーは人間を見下している分、人間の弱い部分を見つけ、そこを挑発したり自分自身できっかけを作り争いをさせます。ひょうきんで相手を騙し、饒舌が災いして相手の神経を逆立てるなど恨みを買う部分も多いですが、飄々とした姿や子供っぽい姿、エドワードとのチビという言葉のやりとりを見ると完全に憎むことはできません。人を貶すも、愛されるキャラクターです。次の記事