犬 リンパ腫 COP プロトコール

犬のリンパ腫 ... High grade 多中心型リンパ腫 多剤併用プロトコールの治療成績 !完全寛解率:80%以上 !生存期間の中央値:1年 !2年生存率:25% !完治率:? その他の化学療法! この記事は5分で読めます まず最初にお伝えすることは、犬のリンパ腫は治りません。治らないというのは完治することがなく、抗がん剤や手術などで良くなったように見えても必ず再発するという事です。では、リンパ腫と分かってどれくらいの寿命かというと、後で書くリンパ腫の種類にもよるのですが、まず半年から1年を目指します。リンパ腫の種類①体表のリンパ節が腫れるタイプで②主に腸管にでき、③胸の前の縦隔と言われるところのリンパ節が腫れるタイプで④その他10%(上記が教科書的な数字ですが、実際は犬で僕の経験上縦隔型はあまり遭遇しません。猫に多いかな。代わりに消化器型は5%以上の数字の感覚です。さらにどちらが悪性度が高いかというと低分化型です。名前からすると低分化型の方がまだマシそうですが、低分化というのはこれからまだまだ分化(分裂)して大きくなりますよ~ってイメージです。逆に高分化型は分化(分裂)がもうこれ以上はあまり起こりませんよ~つまり大きくなりませんという感じです。英語の表現と逆になっているので英語で言われたほうが分かりやいですね。英語では悪性のほうがhigh(高い) グレード  悪くないほうが low(低い) グレード と表されるので。さらに分類の1種として、Bタイプ,Tタイプというものがあります。簡単に言うとBタイプは抗がん剤が効きやすい。Tタイプは抗がん剤が効きにくいという分類です。症状体表のリンパ節が腫れる多中心型は、飼い主さんが顎の両方が腫れているのに気が付て来院されたり、美容室でリンパ節が腫れているという事で連れてこられる場合もあるくらい、下顎のリンパ節が腫れます。リンパ節が腫れる以外には、食欲がなくなる、元気がない、嘔吐、下痢など色々です。腸管にできる消化器型は、食欲がない、嘔吐、下痢、など体表のリンパ節が腫れると言われている多中心型も初期の場合はリンパ節がそこまで腫れないので、最初はリンパ腫と気が付かないこともあります。スポンサーリンク 診断・多中心型(体表のリンパ節が腫れるタイプ)腫れているリンパ節に針を刺し、細胞を少量採取してまず診断を試みます。低分化型(high grade)のリンパ腫ならそれで診断が付くこともあります。高分化型(low grade)のリンパ腫は針で採取した少量の細胞では確定診断できないので、最終的には腫れているリンパ節を丸ごと1個摘出して、病理検査に出さないと確定出来ないこともあります。・消化器型お腹のレントゲンではわからず、腹部の超音波検査で腫れている腸管や腸の周囲のリンパ節が腫れているのが確認できれば、超音波を見ながら針を刺して細胞を採取して診断出来ることもあります。しかしながら超音波検査でははっきりしない事も多く、吐いたり、食欲不振の原因が他にないかどうかも含めて、CT検査をする事もあります。・縦隔型は縦隔のところに針を刺して細胞を採取し、診断できることが多いです。・皮膚型は、針を刺して細胞を採取して診断されることもありますが、それでもわからない場合は皮膚を一部切除して診断をつけないといけない事もあります。皮膚型のリンパ腫は普段あまり遭遇するわけではないので、アレルギーや自己免疫性の皮膚病と間違われ治療されていることもあり、診断が遅れがちになるリンパ腫です。スポンサーリンク 治療リンパ腫の治療は抗がん剤が主な治療となります。そして抗がん剤がよく効く病気です。手術が適応なのは消化器型のリンパ腫で腸閉塞を起こしていたり、気管の近くのリンパ節が腫れて呼吸困難になっている場合くらいです。ただし最初に書いたように治すことはできません。症状を緩和させて寿命を伸ばす効果です。それを延命治療と思われるかもしれませんが、治療に反応すれば副作用もなくいったんは治ったのかと思うくらいまで回復するので、抗がん剤をする価値は十分あると思います。担当の獣医さんとよく相談して納得いく選択をしてください。 抗がん剤を使用する治療法は、使う薬剤によりざっくり4つに分けられます。①プレドニゾロンのみ  ②ドキソルビシンのみ③シクロフォスファミド、オンコビン、プレドニゾロンの3種類を使用それぞれの頭文字をとってCOPと言われる。④③の3種類にプラスしてドキソルビシンなど多数の薬剤を使う方法 それぞれの平均寿命①プレドニゾロンのみは1~2か月 ②ドキソルビシンのみは6~9か月 ③COPは8か月 ④多剤併用は12~13か月 いったん症状が治まり治ったかのように見えるまでに回復する確率(完全寛解率)①プレドニゾロンのみは50%前後 ②ドキソルビシンのみは60~85% ③COPは70~80% ④多剤併用は85~95%ちなみに何も治療しないと1か月~1か月半で死亡すると言われているただそれだとプレドニゾロン単独で治療するのと変わらない事になるが、プレドニゾロンを使用するといったん元気になり一時的には症状の緩和がみられ*QOLが改善する。*QOL:生活の質と訳され、食べて寝るなど生きていくのに基本的なことだけでなく、楽しく苦しみのない生活の状態を指す。 それぞれのメリット、デメリットプレドニゾロンのみメリット:費用が安い、お家で投薬もできるので通院の必要がない。副作用があまりない(お水をよく飲みおしっこが多くなる事はある)デメリット:生存期間が他の方法と比べて短い。効果も短く、すぐに具合が悪くなる可能性が高い。 ドキソルビシンのみメリット:投与が3週間に1回のみで来院回数が少なくて済む。比較的費用が安い。3種類抗がん剤を使用しほぼ毎週抗がん剤を行うCOPと比べても生存期間と元気でいられる期間がほぼ変わらない。デメリット:注射するときに血管外に漏れると漏れたところの皮膚が壊死して脱落するかもしれない。心臓に毒性があるので、使用できる回数に限度がある。 COP(シクロフォスファミド、オンコビン、プレドニゾロン)メリット:最もスタンダードな治療法です。ドキソルビシン終了後にも使用することができます。デメリット:ドキソルビシンが3週間に1回にたいし毎週継続的に治療が必要の割には、ドキソルビシンと治療成績があまり変わらない。 COP+ドキソルビシンなどの多剤併用メリット:寛解期間、生存期間ともに最長。デメリット:副作用が出やすい。 抗がん剤を始める前にしっかりとした血液検査を行います。抗がん剤を始めると一時的に白血球が減少し、やや貧血傾向になります。始める前から貧血の犬には輸血を行い、状態が安定してから抗がん剤を始めます。貧血はないけれど血小板が低下している場合も要注意です。DIC(播種性血管内凝固)が起こりやすい状態かもしれません。DICが起こると急激に状態が悪くなるため、抗がん剤の投与を見合わせてる場合もあります。 最も効果のある多剤併用(COP+ドキソルビシンetc)での抗がん剤の計画ですが、だいたい10週目くらいまで毎週行い、完全寛解していれば11週目から2週間ごとの維持療法になります。色々な方法と期間があるのですが、6か月くらいまでは継続して治療が続きます。 最初にも書いた通りなおる病気ではないので、必ず再発します。再発した場合は、最初に効果のあった抗がん剤のプロトコール(治療計画)を再度行います。それがまだ効果があるならもう1度同じプロトコールを行います。同じものが効かなくなった場合違う抗がん剤を選択します。シクロフォスファミド、オンコビン、プレドニゾロン、ドキソルビシンが効かなくなった場合に使う抗がん剤のプロトコールをレスキュープロトコールと言います。レスキュープロトコールに使われる抗がん剤は、ロムスチン(CCNU:シーヌーと呼ばれる)、Ⅼ-アスパラギナーゼ、アクチノマイシンD、ダカバルジン、メルファラン、ミトキサントロン、シタラビンなどがある。レスキュープロトコールは完全寛解の確率も下がり30%~40%です。 高分化型リンパ腫の治療ゆっくりと進行するため症状がない場合は治療しないで経過観察をすることもあります。貧血や白血球減少、血小板減少が見られるようになったり、リンパ節が大きくなり呼吸困難など症状が出た時は治療を行います。治療はクロラムブシルやメルファランを使用します。プレドニゾロンもリンパ節を小さくするのに効果があるので使用することもあります。ただしプレドニゾロンは抗がん剤への耐性を作ることがあるので使用するときは注意が必要です。 低分化型(high grade)のリンパ腫にかかると1年以内になくなる確率が高いです。どこまで治療するかは最終的にはそれぞれの飼い主さんの選択に任されます。専門家である獣医さんに治療を任せてしまうのも一つの選択肢です。最後までできる治療をやり切ったほうが後悔しないのか、そこまで積極的に薬を使わずにお家でゆっくり見てあげるのがいいのか。最終的に後悔しない選択はどれかということを考えて決めていってください。スポンサーリンク     2017 01.212017 01.272017 01.192017 02.152017 02.172017 01.28この記事へのコメントはありません。この記事へのトラックバックはありません。記事の編集ページから「おすすめ記事」を複数選択してください。Copyright ©

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4 0 obj まず最初にお伝えすることは、犬のリンパ腫は治りません。治らないというのは完治することがなく、抗がん剤や手術などで良くなったように見えても必ず再発するという事です。 リンパ腫は治療しなければ3ヶ月で死亡する病気ですから、copを行い3ヶ月寛解状態が維持できたのは良かったのではないでしょうか。 その上で、どこかで寛解が終わるので、その先の治療を何にするかは悩ましいところです。 x�\K����W(� � #�- 2019/3/8 1 埼玉動物医療センター 腫瘍科 林宝謙治 犬のリンパ腫アップデート 2019 講演内容 犬のリンパ腫の概要 リンパ腫の分類 発生部位別分類 高悪性度リンパ腫と低悪性度リンパ腫 T細胞性リンパ腫とB細胞性リンパ腫 リンパ腫各論 多中心型 B vs T 消化器型 【犬のリンパ腫】 プロフィール ・発生:犬の全腫瘍中の7~24%、犬の造血器悪性腫瘍中の83%を占める。 ・年齢:中央値6~9歳齡(6ヶ月~15歳齢)。1歳未満1.5頭/10万頭、10~11歳84頭/10万頭。 ご愛犬がリンパ腫でも免疫の取り組みを行う事で体調が改善したりQOL(生活の質)を維持し元気食欲を回復させる事はできると考えています。 実際コルディで免疫対策をすることで犬の癌をコントロールできた例は多数あります。 ご愛犬がリンパ腫を患っ X�!��@NNv �_0�ۇ��|�7%QR��$;Xt7g��*V�z�������8��M�7|�bS��G> ���_��_�o?����=w?��c���u_{m�w�>����1��R`lFҍ����BT�t��P� ��-�b�6z��q4�ٟ��}�� z��'||����������E^��'�?��i\3������ߟ�4��Ah!̂��j�\��$� ��ך �e/8��sm5rb?�� �8��㳑(���� d��N�n��0��s�բ�OY���AL�[n���'�=��i��7��q��%yb��?��?�^�&V���������*���M��U�4�Bă[�A�a�f�� �% %PDF-1.3 今年の2月に多中心型悪性リンパ腫(悪性度は高~中程度)と診断され抗がん剤治療を初めました。 最初はcopプログラムで治療を進めて3ヶ月間は寛解状態でしたが、5月末に再発してしまったためcopからドキソルビシン入れたchopに切り替えました。 プロトコールについて 犬の悪性リンパ腫で使われる抗がん剤はもともと人用です。抗がん剤の組み合わせ方も人の治療に準じています。 それぞれの抗がん剤をどのように投与していくかは、過去の臨床試験で記された治療計画書に基づきます。その文書はプロ リンパ腫のレスキュープロトコール – マミー動物病院 診察時間 月~土 9:00~12:00 16:00~19:00 日曜日 9:00~12:00 水曜・祝日休診 所在地 東京都立川市西砂町1-80-8 プレミール105 生存期間の中央値 6 – 8 カ月 ! << /Length 5 0 R /Filter /FlateDecode >> 犬と猫のリンパ腫 リンパ腫とは、リンパ球という体の中の免疫細胞が腫瘍化したものです。リン パ球はもともと体中を巡っている細胞ですので、リンパ腫は体の中のどこにで も発生しうる腫瘍です。また、一か所にリンパ腫が発生した場合でも、発見さ れた時点では、全身性に細胞が回って� stream 02.01