会社名:株式会社 吉川国工業所(吉の上の部分は下が長い吉です) 会社名:利昌工業株式会社. CNFは、紙やパルプにはない特異的な性質を活かして、多種多様な用途への展開が期待されています。また、植物バイオマスから取り出した天然由来の繊維であり、低炭素社会の実現にも貢献できる素材です。※ この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたものです。当社のCNFは、水分散液、乾燥体、成形体の3つの形態で供給しています。また、複合樹脂についてはCNFまで微細化せず粗く解したセルロース繊維を用いたセルロース複合樹脂ペレットのサンプルも準備しています。CNF水分散液の製造技術として、製造コストの低減を目的に、三島工場(愛媛県四国中央市)に設置したパイロットプラントで省エネルギー型CNF製造プロセスを開発しました。生産能力:年間約100トン(最大生産時)
部素材産業-cnf(セルロースナノファイバー)実用化への取組み All rights reserved. 水分散液に対して、多くのユーザーからの「水を含むものは樹脂やゴムと複合化しにくい。水分を抑えたCNFが欲しい。」というニーズを踏まえて、CNF乾燥体製造のパイロットプラントを水分散液製造プラントに併設して、開発を進めています。生産能力:年間約10トン(最大生産時)CNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合の成形体は、軽量かつ高強度というCNFの特徴を活かした高性能材料であり、性能は汎用プラスチック材料を大きく上回る力学物性を示し、熱特性にも優れています。当社CNF水分散液ELLEX-Sは、繊維幅が数十ナノメートルですが、「亜リン酸エステル化法」で製造するELLEX-☆は、繊維幅を3〜4ナノメートルまで微細化でき、高い透明性を有するCNFです。「亜リン酸エステル化法」は、繊維幅3~4ナノメートルまで容易に微細化でき、高い透明性を有するCNFを製造できる技術であることから、化粧品、塗料、インキ等の意匠性が要求される用途や光学系材料用途への展開が期待できます。各水分散液から作製したフィルム当社は、CNFを樹脂と複合する技術の開発の検討を進める中で、樹脂補強において粗く解したセルロース繊維を用いても、樹脂の力学物性を向上できる技術の開発に成功しました。CNF乾燥体製法CNFは湿式で製造され、乾燥過程で凝集するため、樹脂と複合化するには様々な方法がありますが、凝集を抑制する処理を施した乾燥体とすることで、他の汎用フィラーと同様に樹脂へ複合化することができます。※ CNF乾燥体の開発の一部は、平成27〜28年度の環境省の「セルロースナノファイバー 製品製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務」の成果によるものです。物性CNFを樹脂へ10%複合化することで、樹脂の弾性率を1.3~1.4倍に向上し、強度も1.1倍~1.2倍向上できるため、樹脂部材をCNF複合樹脂と置き換えることで、構造材料部材の薄肉化が期待できます。現在、物性をさらに向上させる検討を行っています。※上記のデータは測定値の1例であり、品質を保証するものではありません。CNFが有する特異的な粘度特性を利用することにより、液体の粘度コントロールが可能であり、高保湿性や低曳糸性も兼ね備えているため、化粧品添加剤用途への利用が期待できます。チキソ性傾けても液面は動かないスプレー可能曳糸(えいし)性保湿性CNFが有する特異的な粘度特性を利用することにより、液体の粘度コントロールが可能です。増粘効果CNFの水溶液は、静置状態で高い粘度を示します。2%水溶液は、CMC4%水溶液と同等の粘度となり、CMCよりも少ない量で粘度を増加させることができます。分散安定性CNFには水中で油や粒子を分散安定化する機能があり、食品や塗料等への展開が期待されます。チキソ性CNFの水分散液は、静値状態では高粘度を示しますが、せん断力を受け続けると粘度が次第に低下し液状になるチキソトロピー性を示します。スプレー可能CNFは、低せん断力下では高粘性であるため、容器を傾けてもスプレーノズルから吸引することができ、高せん断力下では急激に粘度低下するため、スプレー噴霧することができます。CNFをコンクリートへ配合することにより、特定の条件においてひび割れ低減効果を確認しました。水中および空気中で養生したコンクリートの引張強度について、CNF配合の有無で比較を行いました。参考文献当社が開発を進めているCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合の成形体は、汎用プラスチック材料と比較して高い力学物性を示し、熱特性にも優れる高性能材料です。このCNF成形体は、CNFの配合率を50~95%まで高めたもので、軽量かつ高強度というCNFの特徴を活かした高性能材料です。汎用プラスチックとの物性比較(CNF配合率80%での例)約5倍(13~17GPa)約20倍(10~12GPa)約5倍(100~150MPa)約8倍(55~70MPa)注1 材料を引っ張った際の変形のしにくさこれまでプラスチック材料が利用できなかった高強度用途や耐熱性を必要とする用途など、今後、多岐にわたる用途展開が期待されます。≪用途の可能性≫2019年に米国コロラド州にて開催されたレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に参戦した電気自動車のボンネット、後部座席ドア等車両本体にCNF成形体ELLEX-Mを実装しました。〇2018年から16秒のタイム短縮CNF実装による効果ELLEX-Mを実装したパーツは、練習走行から決勝レースまで過酷な実戦走行に耐えうる性能を発揮し、12.6kg(代替パーツ49%)の軽量化を達成しました。スポーツ用品の高性能化を目的に、株式会社タマス※と共同でCNF成形体ELLEX-Mを用いた卓球ラケットの開発を行っています。ELLEX-Mによる効果打球のスピードと回転数から計算される打球の威力を表すエネルギー効率(同じ素材重量当たり)を評価した結果、ELLEX-Mは、従来のラケット用高性能部材と比較して、打球の威力を高められる部材であることがわかりました。セラミックとCNFを混合し、乾燥、成形、焼結することにより、セラミック材料を多孔質化することができます。製法物性特徴現在、食品等の包装には、ガスバリア性を持つ化石資源由来のフィルムが利用されていますが、CNFのガスバリア性を活かし、実用的にガスバリアシートを製造できれば、バイオマス由来のバリア包装資材への転換が可能となります。フィルムにCNFをムラなく緻密に塗工することにより、CNF塗工フィルムは、高い酸素バリア性を示します。このCNF塗工フィルムの連続生産技術の開発に取組んでいます。フィルムにCNFを塗工した後、紙を貼り合せて加熱乾燥した積層シートは、非常に高い酸素バリア性を示します。また、無機層状化合物の添加により、酸素バリア性を損なうことなく、水蒸気バリア性が向上できます。 環境省では、植物由来の素材で鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度等の特性を有するセルロースナノファイバー(以下「CNF」という。 1990年代から、このセルロースナノファイバーの研究開発を地道に続けてきた人物が、京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授である。 「植物が、私たち人間の生活にも役立つ素材の構造体を作ってくれる。