なお、生存率には大きく2つの示し方があります。1つは「実測生存率」といい、死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率です。他方を「相対生存率」といい、がん以外の死因を除いて、がんのみによる死亡を計算した生存率です。 がん保険ラボ|おすすめ人気ランキングとFPが教えるガン保険選び方 目次がんステージ4は、がんが最も進行した状態のこと。しかし、ステージ4の定義はがんの種類によって異なってきます。ステージ判断の基準は3つ。がんの広がり具合、リンパ節転移の有無、ほかの臓器への転移の有無。また「ステージ4=余命わずか」と思う方は多いですが、実は5年生存率が50%近くになるものもあります。がん治療では正しい情報を手に入れることが重要です。今回はステージ4の症状、がん種類ごとの治療法、生存率、そしてステージ4と診断された芸能人まで紹介します。がんは症状の進行具合、がんの広がり程度で各ステージ分けされます。ステージごとに病気の特徴があり、それを理解することで最適な治療法を受けることができるのです。がんステージは主に0~4段階に分けられます。数字が低いほど症状が進行していないということ、つまりステージ4は最も症状が進行している状態です。がんの種類によってステージ4の定義は異なってきます。しかし、一般的にステージ4のがんは他の部位にもがんが広がっている状態のことです。歩けない。すぐに息切れする。食事も食べられない等様々な症状が報告されていますが実際はどうなのでしょうか。ステージ4のがんは、転移ガンもしくは進行がんとも呼ばれます。がんのステージは、以下の3つの要因で決まります。・がんがどこまで広がっているのか以下が主ながんの種類別のステージ4の症状です。ステージによって行われる治療が異なってきます。他の臓器にがんが転移しているステージ4では、手術によってがんを除去するのが難しくなってきます。そのため、ステージ4では抗がん剤治療、放射線治療が中心として行われるでしょう。ここからは、がんごとの治療法を紹介します。ステージ4の食道がんでは、主に3つの治療法が行われます。・抗がん剤食道がんは進行するにつれて、食道の幅が狭くなってしまいます。つまり、食べ物の通り道が少なくなり、十分に食事を摂取するのが困難になるのです。そのためステージ4では、バイパス手術をして食べ物の通り道を作ったり、筒状のステントを入れて食べ物の通過を補助したりする必要があります。そのような食道の補助手術を対症療法と言います。他に、ステントが入らなくなるほど食道が狭くなった場合には、直接胃に栄養物を入れる管を通したり、点滴を打ったりします。ステージ4の肺がんでは、主に抗がん剤治療と緩和ケアが行われます。肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分類できます。小細胞肺がんは転移の可能性が非常に高いです。しかし、抗がん剤治療の効果は高いので、主に抗がん剤治療がメインとなるでしょう。他の臓器へと転移している胃がんは、抗がん剤治療がメインとなってきます。基本的にがんが遠隔転移を行っていると、手術ですべてのがんを取り除くことは困難です。しかし、胃がんだけを切除したり、胃を切除したりする場合もあります。また食道がんと同様、食べ物の通り道を補助するためにバイパス手術が行われたりもします。ステージ4の乳がんでは、薬物療法を中心に手術、放射線治療、そして緩和ケアが行われる場合もあります。乳がんの薬は比較的高額で、治療期間が長引きます。そのため、治療費が高額になるのも特徴です。健康の時から、乳がん保障を備えたがん保険などに加入しておくことが大切ですね。ステージ4の大腸がんでは、抗がん剤治療、放射線治療、そして対症療法が中心となります。がん治療は発展しており、大腸がんに有効な抗がん剤はいくつか開発されています。抗がん剤治療では、単独で薬を使うこともあれば、複数の抗がん剤を組み合わすこともあります。ステージ4の甲状腺がんは、放射線治療と薬物療法が中心となります。甲状腺がん療法は、がんが発生している部位や進行具合によって大きく異なってきます。ステージ4の前立腺がんでは、内分泌療法、緩和療法、そして放射線療法が主に行われます。前立腺がんは、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンが影響して病気が進行するという特徴があります。病気の進行を止めるためには精巣を摘出したり、薬で男性ホルモンの分泌を抑えたりする必要があるのです。これを内分泌療法といい、前立腺がん治療の中心となる可能性が高いです。がんの種類によって生存率も異なり、生存率も個人によって大きく変わってきます。詳しい生存率を明らかにすることはできないので、今回はがんの5年実存生存率を紹介します。5年実存生存率とは、がんと診断されてから5年後に生存している人の割合です。参考:国立がん研究センター「全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2006~2008年診断例)」やはりすい臓がん、肺がん、大腸がんなどの死亡率が高いがんはステージ4における5年生存率が低くなってしまいます。しかし、乳がんは33.9%、前立腺がんは47.7%と日本人が罹患しやすいがんの生存率は高いですね。ステージ4になると、5年生存率が下がってしまいますが、それでもあなたが思っていたより高い生存率ではないでしょうか。またこれは2006~2008年の診断例から導き出したデータです。医療技術が発達した現代では、さらに5年生存率はあがっていることは間違いありません。ステージ4と診断された芸能人はいます。今回はステージ4と診断された2名の芸能人を紹介します。1人目が、2015年に帰らぬ人となった今井雅之さん。そして、2人目が現在闘病中の小林麻央さんです。大腸がんと診断された今井雅之さん2015年に亡くなった俳優の今井雅之さんは2014年11月にステージ4の大腸がんと診断されました。2015年の3月からは入院しながら、抗がん剤治療を受けます。しかし、残念ながら5月28日に帰らぬ人となってしまいました。今井雅之さんが罹患した大腸がんは、自覚症状がないまま進行していきます。大腸がん初期でみられる症状は、主に以下の通りです。・血便特に血便は大腸がんの症状として、よく見られます。血便は痔などでも起きるため重要視されませんが、大腸がん早期発見のためにも、すぐに消化器科や肛門科を受診するようにしましょう。大腸がんが進行していくと、がんが大きくなり大腸が狭くなっていきます。すると、腸閉塞や嘔吐が起こり、それがきっかけで大腸がんが発見されることは多々あります。今井雅之さんも腸閉塞がきっかけで大腸がんを発見しました。大腸がんの罹患率は、40歳代から顕著になり、50歳代には罹患率が急激に増加するという特徴があります。自覚症状がほとんどない大腸がんだからこそ、年に1回の定期検診を受けることが重要です。生活習慣も大腸がんを発生させる要因となります。以下が、大腸がん発生させる生活要因です。・牛肉や豚肉などの赤肉の取りすぎ現在、乳がんとの闘病生活を送っている小林麻央さん。ブログKOKOROは日本だけではなく、世界中に影響を与えています。そんな小林麻央さんは乳がんのステージをはっきりとは明かしていませんが、ステージ4との予想が強いです。また2016年10月3日のブログ記事では、「私はステージ4だって治したいです!!!」との記載もあります。乳がんステージ4の5年生存率は33.9%と低い数字ではありません。あなたはケリー・ターナー博士が執筆した「がんが自然に治る生き方ーー余命宣告から「劇的な見解」に至った人たちが実践している9つのこと」という本をご存知ですか?これはニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった本で、がんが自然治癒した人々に共通する9つのことを紹介しています。がんの方はもちろん、そうでない方も1度は読んでみてください。この本の中でケリー博士は、ポジティブな感情ががん治療にいい影響を与えると考えています。ポジティブな感情は免疫作用を高めるのです。実際に、欧米ではがんと感情の関係性に注目した研究がいくつか行われています。KOKOROをご覧になった方はご存知だと思いますが、小林麻央さんは大変ながん治療中にも、ポジティブな思いを大切にしています。彼女の未来に対するポジティブな思いは、奇跡を起こすことでしょう。がんの進行が最も進んだのが、ステージ4。ステージ4と診断されると絶望的な気持ちになってしまいますが、がんの種類によっては、5年後も生存している可能性は高いです。今回覚えていただきたいポイントは、以下の4つ。・ステージ4では抗がん剤治療が中心となるがんは罹患する前に対策を行うことが大切です。健康的なライフスタイルを送る、定期検診を受ける、そしてがん治療にかかる費用に備えておくことを心がけましょう。