肺がん 遺伝子 変異検査
目次2000年ごろまで、肺がんの薬物療法は、小細胞肺がんと非小細胞肺がんの大きく2つに分けられているだけした。肺がんの約90%を占める非小細胞肺がんの患者さんに薬物療法か必要になったときには、一般的なところが、2002年に、特定の分子(タンパクや現在では、非小細胞肺がんの中で最も多い2018年から始まった「第3期がん対策推進基本計画」では「がんゲノム医療」が取り組むべき課題の一つになっていますが、肺がんではすでになお、肺がんの増殖に関わる遺伝子の異常は、親から子に伝わる遺伝とは関係なく、たばこや化学物質などの影響で起こる後天的な遺伝子の異常です。がんの増殖に直接関わる遺伝子をドライバー遺伝子と呼びます。「ドライバー」は、がんの発症や増殖に関係する「運転手」という意味です。私たちのからだの中の細胞は、がん化して細胞増殖を加速させるアクセルが踏まれたとしても、増殖を抑えるブレーキが働き、正常な状態を保っています。ところが、ドライバー遺伝子の影響で、アクセルが踏みっぱなしになったり、ブレーキがきかなくなったりすると、がん細胞が増殖し続けることにつながります。日本人の非小細胞肺がんのドライバー遺伝子異常の中で、最も多いのはEGFR遺伝子変異で、腺がんの5割、肺がん全体でみると3分の1に存在します。次に多いのが以下の図は、非小細胞肺がんのうち腺がんの患者さんが100人いたときに、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、BRAF遺伝子変異を有する患者さんの割合を示したものになります。こういった特定の遺伝子異常に対しては、それぞれに合わせた分子標的薬が用いられます。さらに、2015年12月からは、免疫チェックポイント「突然変異」とは、EGFR、BRAFのように遺伝子配列の塩基(DNAの構成する分子)が置きかわってしまう遺伝子の突然変異によってできた異常なタンパクが、がん細胞の増幅に関わるものです。「融合遺伝子」とは、ALK、ROS1、RETのように本来は離れたところにある染色体が結合して融合タンパクを発生させて、無秩序にがん細胞を増幅させるものがあります。「遺伝子増幅」とは、MET、なお、RET、MET、HER2は保険診療による遺伝子検査が行われていません。(2019年12月現在)非小細胞肺がんの患者さんの治療方針を決める際には、薬物療法の効果を判定するために、遺伝子検査や効果判定の検査は、非扁平上皮がんか扁平上皮がんかで異なります。非扁平上皮がんの場合には、EGFR遺伝子検査、ALK遺伝子検査、ROS1遺伝子検査、BRAF遺伝子検査、PD-L1検査を行い、その結果に応じた治療を行います。扁平上皮がんの場合は、PD-L1検査のみ実施します。肺がんの遺伝子検査とPD-L1検査には、手術や非小細胞肺がんでは、EGFR遺伝子検査が陽性ならEGFR阻害薬、ALK遺伝子検査陽性ならALK阻害薬、ROS1遺伝子検査が陽性ならROS1阻害薬による治療、BRAF遺伝子検査陽性なら遺伝子検査は最適な治療を選択するためだけではなく、効果がないのに副作用だけ出たという事態を避けるためにも大切です。がんの治療薬は副作用を生じることが多く、効果がない人に投与すべきではありません。ドライバー遺伝子を調べて、それに合わせた分子標的薬治療を受けた患者さんの生存率は、遺伝子異常に合った薬が使えなかった、あるいは遺伝子異常がないけれども分子標的薬を使った患者さんより高いことがわかっています。こういった結果は、国内外の複数の研究報告で示されています。肺腺がんのうち約1%と希少な遺伝子異常であっても、遺伝子検査で遺伝子異常の有無を調べ、それに合った治療を行うことが重要なのです。非扁平上皮がんで遺伝子検査が陰性でPD-L1陽性、扁平上皮がんでPD-L1陽性の患者さんは、免疫チェックポイント阻害薬による治療が第一選択になります。※この内容は「肺がんの薬物療法を受ける患者さんのための本」より引用/編集しました。2020.07.032019.07.052018.01.17このサイトは、 信頼できる医療・ 健康情報のための 倫理標準である HONcodeの条件を満たしています。 がん情報サイト「オンコロ」は3Hメディソリューション株式会社/3Hクリニカルトライアル株式会社が運営しています。 腺がんは肺がんの50~60%を占めているが、その腺がんの53%にegfr遺伝子変異が見られる。つまり肺がん全体の3割ほどになる。このタイプのがんには、イレッサやタルセバがよく効く。 alk融合遺伝子検査陽性のがんには、ザーコリが有効であることがわかっている。 肺がんと確定診断された場合には、 ros1 融合遺伝子、 alk 融合遺伝子または egfr 遺伝子変異があるかどうかを検査します。 ROS1 融合遺伝子や ALK 融合遺伝子、 EGFR 遺伝子変異は、多くの場合、確定診断のときに使った「組織」や「細胞」を用いてそれぞれ検査を実施します。 日本肺癌学会によるガイドラインでも、遺伝子検査を行って遺伝子変異があるかどうかを調べた上で、患者さんに合った治療を選択することを推奨しています。 遺伝子変異と治療の関係. 肺癌患者におけるegfr遺伝子変異検査の手引き 第4.3版(2020.4.1) 肺癌患者におけるegfr遺伝子変異検査の手引き 第4.2版(2019.3.29) 肺癌患者におけるegfr遺伝子変異検査の手引き 第4.1版(2019.1.30) 肺癌患者におけるegfr遺伝子変異検査の手引き 第4.0版(2018.11.21) 注)医師の診察により、がん免疫療法が適応と判断される場合のみ【監修】近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生診断から治療まで、ひとりのがんにみんなで向き合っていくために必要な情報をわかりやすく解説本サイトに掲載された健康情報は啓発を目的としたものであり、医師等のヘルスケアープロバイダーに対する相談に取って代わるものではありません。Copyright © 2012-2019 Pfizer Japan Inc., このコンテンツはJavaScriptをONにしてご覧下さい。 肺がんの85%を占める「非小細胞肺がん」では、遺伝子変異の研究と新薬の開発が目覚ましく、検査や治療法について大きな変化が起きています。 具体的には「肺がんの増殖に関連する遺伝子変異が明らかになり、その遺伝子変異に応じた薬が次々に開発されている」ということです。 注)医師の診察により、がん免疫療法が適応と判断される場合のみ 2000年ごろまで、肺がんの薬物療法は、小細胞肺がんと非小細胞肺がんの大きく2つに分けられているだけした。肺がんの約90%を占める非小細胞肺がんの患者さんに薬物療法か必要になったときには、一般的な抗がん剤による一律の治療が行われていました。ところが、2002年に、特定の分子(タンパクや遺伝子)をターゲットにした分子標的薬が保険適用になり、その後、その薬がEGFR遺伝子変異のある人に効果があるとわかったため、肺がんの薬物療法は大きく変わりました。現在では、非小細胞肺がんの … 検査の結果、遺伝子変異がある場合には、標準治療に基づいて、その遺伝子変異に合った薬を選んで治療を行います。 例えば、図2のように、一部の肺がんの患者さんでは、薬物療法が必要となった場合に、診断キットAを用いて、特定の遺伝子変異(a遺伝子変異)の有無を検査します。

肺がんにみられる「